内容証明郵便で請求する・・・

内容証明郵便で請求する・・・

内容証明郵便というと、何か法律的な効力を持っているような文書という感じがしますが、内容証明郵便自体に法的な効力が与えられているわけではありません。

これは、公的な機関である郵便局が、どんな内容の手紙を出したかを公に証明してくれるというものです。

配達証明付の内容証明郵便を使えば、いつ、どのような内容の手紙を出したかを公的な機関が保証してくれるわけですから、強力な証拠になり、裁判でも強い証拠能力を発揮します。

また、内容証明郵便を受け取った債務者は、これは単なる請求でなく、次は何らかの法律的な手段を取ってくるのではないかと、心理的な圧力がかかります。

ですので、今後も円満に継続的な取引関係を望む相手であれば、内容証明郵便による請求は逆効果となります。

何度請求しても、いつも逃げて、居留守などを使うなど、悪質な債務者で、取引をやめても構わないという相手であれば、内容証明郵便を出すべきです。

また、時効が完成する直前に、これに気が付いて内容証明郵便で催告するという場合があります。

その場合に、債務者に内容証明郵便を受け取り拒否されると、民法は到達主義を採っていますので、時効が完成しそうです。

最高裁の判例では、民法上の意思表示の到達というのは、意思表示が相手方にとって了知可能な状態に置かれたことであって、相手方が現実に受け取ったことではない、としています。

債務者の受け取り拒否は、内容証明郵便が到達した事になるわけです。

民法97条(隔地者に対する意思表示)

一、隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

二、隔地者に対する意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、または行為能力を喪失したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。

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内容証明郵便の書き方とは・・・

内容証明郵便を出す場合には、一般の手紙と違ったいくつかの制約があります。

1枚の紙に書ける文字数の制約があり、縦書きの場合には、1行20字以内、1枚26行以内、横書きの場合には、1行13字以内、1枚40行以内か、1行26字以内、1枚20行以内となります。

1枚の紙に書ける文字数は、520字であれば良いわけです。

これを超える場合には、2枚目に書けばよく、2枚分の料金がかかります。

2枚以上にわたる場合には、ホッチキスやのりでとじ、そのつなぎ目に差出人の印を押します。

この印の事を、割印または契印といい、認印でかまいません。

また、内容証明郵便で使用できる文字についての制限があります。

使用できるのは、仮名(平仮名、カタカナ)、漢字、数字です。

数字は算用数字でも漢数字でも大丈夫です。

英語は固有名詞に限り使用可能です。

その他、句読点、かっこ、一般に記号として使用されているものも使用できます。

文字を書き間違え、削除する場合には、2本線を引いて消します。

書き間違えた文字を訂正する場合には、2本線を引いて文字の右や上に、正しい文字を書き加えます。

文字を挿入する場合には、挿入する箇所の右や上に挿入する文字を書き、かっこで挿入位置を指定します。

その上、削除、訂正、挿入する場合には、これを行った行の右や上の余白に、「*行目*字削除」「*行目*字訂正」というように記載し、押印します。

このような形式で、同文のものを3通と差出人、受取人の住所氏名を書いた封筒を受取人の数だけ持って、郵便局へ行きます。

その際には、字数計算の間違いなどの訂正用に印鑑を持っていきます。

内容証明郵便では、それが相手にいつ届いたのかの証明はしてくれません。

民法では、意思表示の通知は相手方に到達したときとしていますので、いつ届いたかが重要になってきます。

これを証明してくれるのが「配達証明」です。

配達証明付で郵便を出すと、相手に到達した日を記載した葉書がその配達局から送られてきます。

この葉書が配達した証明書となります。

郵便法48条(内容証明)

内容証明の取扱いにおいては、会社において、当該郵便物の内容たる文書の内容を証明する。

郵便法47条(配達証明)

配達証明の取扱いにおいては、会社において、当該郵便物を配達し、または交付した事実を証明する。

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内容証明郵便の書き方とは・・・

内容証明郵便は、相手方に出した文書の内容を、公的な機関である郵便局で証明してくれるものです。

そのため、裁判において証明力の高い文書であるといえます。

内容証明に書く文章は事実関係を的確に書くことが必要になります。

裁判になった場合、間違った事実を書いてあると、その後の主張や請求の根拠についても疑いを持たれる可能性が出てきます。

また、余計な事や不正確なことを書くと、相手に揚げ足を取られることも起こりかねません。

できるだけ簡潔に、明確に書くことが大切です。

売掛金の請求であれば、いつ、何を売った代金の請求で、*月*日と*月*日に請求を送ったが支払いがない、など請求の根拠を書く必要があります。

そして、本書面到達後10日以内に現金でなど、どのような支払いをするのかも記載し、それが実行されない場合、どんな手段を取るのかなどを書きます。

例えば、支払いがなければ法的手段を取る、担保権の実行をするなどです。

内容証明郵便には、必ず配達証明付の郵便にすることが必要です。

法律的な効果を持つ文書は、それが相手方に到達したときに効力を持つのが民法の原則です。

いつ届いたかが争いになる場合は、配達証明付で出してあれば、これも公的な証明力をもつものですから、裁判上十分な証拠力を持ちます。

配達証明にするには、内容証明郵便を出す際に申し出ます。

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