手形の有効・無効な記載事項とは・・・

手形の有効・無効な記載事項とは・・・

手形には9つの記載事項があり、これを必要的記載事項といいます。

これに対し、記載するかしないかは振出人の判断に任せる任意的記載事項といわれるものがあります。

これには、法律的にその記載の効力が認められる有益的記載事項と、認められず手形も無効となる有害的記載事項、また何の効力もなく、手形自体も無効にならない無益的記載事項とがあります。

例えば、取引先から商品を納入する前に手形を振り出してくれといわれて振り出したが、商品が納入されなかった場合、その手形を返してもらうには、支払約束文句の「またはあなたの指図人」という箇所を2本線で消すか、手形の表面に「裏書禁止」とか「指図禁止」と書きます。

これで裏書流通されるのを防ぐことができます。

このように記載すれば効力が認められるものを有益的記載事項といいます。

            金額    ¥1,234,000※

上記金額をあなたまたはあなたの指図人へこの約束手形と引換えにお支払いたします

平成 23 年 2 月 4 日

支払期日 平成 23 年 2 月 4 日
支払地   東京都杉並区
支払場所  **銀行 **支店

裏書禁止

支払期日 平成 23 年 2 月 4 日
支払地   東京都杉並区
支払場所  **銀行 **支店

指図禁止

しかし「商品受領後払い」などと条件をつけると、手形自体が無効になります。

理由は「呈示者に無条件で一定の金額を支払う」という手形制度に反するからです。

このように、書くと手形自体が無効になるものを有害的記載事項といいます。

支払期日 平成 23 年 2 月 4 日
支払地   東京都杉並区
支払場所  **銀行 **支店

商品受領後払い

これに対し、「本手形は取立をしない」とか「商品受領済み」などと書いても何の効力もなく、手形自体も無効になる事はありません。

これを無益的記載事項といいます。

支払期日 平成 23 年 2 月 4 日
支払地   東京都杉並区
支払場所  **銀行 **支店

本手形は取立をしない

支払期日 平成 23 年 2 月 4 日
支払地   東京都杉並区
支払場所  **銀行 **支店

商品受領済み

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手形の支払地と支払場所とは・・・

手形要件の1つである支払地は、最小行政区画を記載することになっていますが、手形用紙には、「支払地 東京都杉並区」というように支払地が印刷されています。

また、支払地の下に支払場所というのが印刷されていますが、これが手形要件ではありません。

支払期日 平成 23 年 2 月 4 日
支払地   東京都杉並区
支払場所  **銀行 **支店

手形・小切手は、支払人自身が手形金を会社、営業所などで支払うものですが、支払地の下に「支払場所 **銀行 **支店」というように、手形用紙を交付した銀行名を印刷しています。

これは「第三者方払文句(だいさんしゃがたはらいもんく)」といって、有益的記載事項の1つで、「振出人の代わりに**銀行**支店が支払いを代行します」という意味です。

この記載があるため、手形の所持人は自分の取引銀行に取立を依頼する事で、振出人の取引銀行である支払銀行に手形金を支払ってもらえるのです。

このような手形を第三者方払手形といいます。

統一手形用紙では、すべてが第三者方払手形です。

また、有益的記載事項として認められるものに「利息文句」があります。

例えば、「手形金額に対し満期まで年利**%の利息を支払います」といった記載文句で、一覧後払いと一覧後定期払いの手形だけに認められています。

この手形は、所持人によって呈示されるまで満期が確定しないので、振出時点では利息分を手形金額に加えられません。

そのため利息文句を認める必要があるからです。

利息計算の起算日はとくに表示のない限り振出日です。

これに対して確定日払いと日付後定期払いの手形は、振出時点で満期が確定していて手形金額に利息分を算入できるので、利息文句を認める必要はなく、これを書いても無益的記載事項として扱われます。

支払期日 平成  年  月  日
一覧次第お支払します
支払地   東京都杉並区
支払場所  **銀行 **支店

手形金額に対し満期まで年利**%の利息を支払います

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支払期日の決め方とは・・・

統一手形用紙には支払期日欄が印刷されているので、そこに日付を記載すれば、それが支払期日になります。

支払期日が決まっている手形を確定日払いの手形といいます。

支払期日は日曜日・祭日でもよく、その場合は翌営業日が支払日になります。

間違って、「4月31日」など暦にない日を記入した場合でも、その月の末日とみなされて有効です。

さらに振出日と同じ日付でも、振出日から10年先の日付でも有効です。

しかし、支払期日が振出日より前の日付の手形は無効になります。

ほとんどの手形が確定日払いですが、次の支払期日の書き方も認められています。

「日付より30日後」と書かれた手形は、振出日から30日を経過した日が支払期日になります。

この「日付後定期払い」は、実質的には確定日払いと変わりません。

支払期日 平成  年  月  日
日付より30日後
支払地   東京都杉並区
支払場所  **銀行 **支店

また、「一覧後30日」と書かれた手形は、振出人が所持人から呈示を受けた日から30日後が支払日になります。

振出人は、その手形に呈示を受けた事と日付を記載して署名します。

これが「一覧後定期払い手形」です。

また、「一覧次第お支払します」とか「呈示次第お支払します」と書かれた手形は、所持人が呈示した日が支払期日になります。

これが「一覧払い手形」です。

支払期日 平成  年  月  日
一覧後30日
支払地   東京都杉並区
支払場所  **銀行 **支店
支払期日 平成  年  月  日
一覧次第お支払します
支払地   東京都杉並区
支払場所  **銀行 **支店

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