夫婦関係破綻後の愛人への慰謝料請求・・・

夫婦関係破綻後の愛人への慰謝料請求・・・

花子は太郎は結婚し子供を2人もうけましたが、性格などの違いから夫婦関係が悪化していきました。

太郎は離婚調停を家庭裁判所に申し立てましたが不調になりました。

太郎は家を出て別居し、その後、別の女性良子と同居し、子供が生まれました。

このため、妻花子は良子に対し、1000万円の慰謝料請求を求める訴訟を起こしました。

最高裁は、不倫の関係を持つことが、相手の配偶者に対する不法行為となるのは、婚姻生活の平和の維持という利益を侵すことによって成立するが、婚姻生活がすでに破綻していた場合には、法的に保護される利益があるとはいえず、婚姻関係が既に破綻していたときは、特別の事情がない限り、相手の女性には損害賠償の責任はないとして、花子の請求を棄却しました。

(裁判上の離婚)
民法第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

スポンサードリンク



妻の浮気相手へ慰謝料請求の判例・・・

<判例>

夫太郎と妻花子の結婚生活は15年間続いており、2人の間に3人の子供がいます。

花子と五郎とは同級生であり、同窓会で再会したことがきっかけで2人の交際が始まりました。

外国在住の五郎から花子への愛情を打ち明ける手紙を出したり、電話をしたりしたことから花子の心は次第に五郎へと傾いていきました。

花子は女友達と海外へ旅行へ行くと嘘をつき、単身、五郎の下へ行き、肉体関係を持ち、日本に帰ってからも、五郎が帰国するたびに密会を重ねていました。

その後、太郎がそのことを知り、五郎と別れるように説得しましたが、花子はそれを聞き入れず、3人の子供を残して、外国の五郎のところへ渡航してしまい、五郎と同棲してしまいました。

太郎は、五郎に対し、1000万円の慰謝料の支払いを請求しました。

裁判所は、五郎に対し500万円の慰謝料の支払いを命じました。

<判例>

二郎と良子の結婚生活は10年続いており、2人の子供がいました。

良子は喫茶店の経営をしていましたが、客としてきていた妻子もちの健二は、良子が夫のある身であるを知りながら肉体関係を持ち、その後関係を続けていました。

そのため、良子は2人の子を残して二郎のもとを去り、離婚しました。

裁判所は、二郎からの慰謝料請求について、健二へ200万円の慰謝料の支払いを命ずる判決をしました。

(裁判上の離婚)
民法第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

スポンサードリンク



妻子ある男性へ貞操侵害の慰謝料請求・・・

判例では、妻のある男性が、他の女性に、結婚の意思がないのに、これをあるように装って事実上の夫婦関係である内縁関係を結んだとしても、相手の女性が男性に妻のあることを知っていたときには、その女性の貞操侵害を理由とする慰謝料の請求はできませんでした。

しかし、その後の判例で「女性が、その情交関係を結んだ動機が、主として男性の詐言を信じたことに原因している場合、男性側の情交関係を結んだ動機、その詐言の内容、程度及びそれについて女性がどのように思っていたか等を考慮し、情交関係を引き起こした原因が、主として男性にあり、男性側の違法性が著しく大きいときは、女性に対する貞操等の侵害を理由とする慰謝料請求は許される」としました。

(裁判上の離婚)
民法第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

スポンサードリンク