養子離縁の届出・・・

養子離縁の届出・・・

養子離縁は、養子縁組関係を将来に向かって消滅させる行為であって、協議離縁及び死後離縁は、いずれも届出によって成立し、裁判離縁は、判決(審判)の確定又は調停の成立によってその効果を生じます。

養子離縁の届出人は、協議離縁のときは、縁組の当事者双方です。

ただし、養子が15歳未満のときは、離縁後に法定代理人となるべき者です。

成年被後見人でも意思能力のある限り協議離縁ができます。

死後離縁のときは、縁組の生存当事者です。

ただし、養子が15歳未満のときは、現在の法定代理人であり、養父母の死後は後見人と解されます。

後見人選任前であれば離縁後の法定代理人である実父母による届出も受理されるようになりました。

裁判離縁のときは、調停の申立人又は訴えの提起者です。

ただし、これらの者が調停成立又は判決(審判)の確定した日から10日以内に届出をしないときは、その相手方が届出をすることができます。

協議離縁及び死後離縁のときは、成年の証人が2人以上必要です。

届出地は、養親又は養子の本籍地あるいは所在地の市町村役場です。

添付書類として、協議離縁の場合に養子が15歳未満のときは、離縁後に法定代理人となることを証する書面が必要です。

この場合、父母の協議で親権者を定めたときは、その協議を証する書面が必要です。

また、審判で親権者を指定し又は未成年後見人を選任したときは、審判書の謄本が必要です。

死後離縁のときは、離縁許可の審判書の謄本及び審判確定証明書が必要です。

判決(審判)離縁のときは、判決(審判)書の謄本及び裁判の確定証明書、調停離縁のときは、調停調書の謄本が必要です。

外国人が協議離縁又は死後離縁するときは、その養親の本国法で協議離縁又は死後離縁が認められることを証する要件具備証明書が必要です。

当事者の本籍地外で届出をするときは、その者の戸籍謄本が必要です。

届出書の提出方法は、届出人が市町村役場に直接出頭して届出をします。

また、自ら署名押印した届出書を郵送してもよいですし、使者に提出させることもできます。

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裁判上の養子離縁の原因・・・

養子離縁調停申立は、法律上の養子縁組関係を将来に向かって解消させることを家事調停で求めるものです。

離縁には、調停離縁以外に、協議離縁、審判離縁、判決離縁がありますが、そのほかに、家庭裁判所の許可審判による死後離縁があります。

民法第811条 

1.縁組の当事者は、その協議で、離縁をすることができる。
2.養子が15歳未満であるときは、その離縁は、養親と養子の離縁後にその法定代理人となるべき者との協議でこれをする。
3.前項の場合において、養子の父母が離婚しているときは、その協議で、その一方を養子の離縁後にその親権者となるべき者と定めなければならない。
4.前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項の父若しくは母又は養親の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。
5.第2項の法定代理人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、養子の親族その他の利害関係人の請求によって、養子の離縁後にその未成年後見人となるべき者を選任する。
6.縁組の当事者の一方が死亡した後に生存当事者が離縁をしようとするときは、家庭裁判所の許可を得て、これをすることができる。

裁判上の離縁原因として民法814条1項は、次の原因を規定しています。

①他方から悪意で遺棄されたとき

②他方の生死が3年以上明らかでないとき

③その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき

ただし、①②の離縁原因があるときでも、裁判所は、一切の事情を考慮して縁組の継続を相当と認めるときは、離縁の請求を棄却することができるとされています。

民法第814条 

1.縁組の当事者の一方は、次に掲げる場合に限り、離縁の訴えを提起することができる。
①他の一方から悪意て遺棄されたとき。
②他の一方の生死が3年以上明らかでないとき。
③その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。
2.第770条第2項の規定は、前項第1号及び第2号に掲げる場合について準用する。

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養子離縁調停・・・

民法814条1項に基づく養子離縁の申立は、一般調停事項です。

民法第814条 

1.縁組の当事者の一方は、次に掲げる場合に限り、離縁の訴えを提起することができる。
①他の一方から悪意て遺棄されたとき。
②他の一方の生死が3年以上明らかでないとき。
③その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。
2.第770条第2項の規定は、前項第1号及び第2号に掲げる場合について準用する。

この申立は本質的には訴訟事項であって調停前置の対象となります。

①申立権者

養親又は養子です。

養子が15歳未満の場合は離縁後に法定代理人となるべき者(離縁代諾者)です。

(1)養子が15歳未満の場合に、離縁代諾者になる者は次になります。

・実父母が離婚しないで生存している場合は、実父母が離縁により養子に対する親権を回復しますからその実父母です。

ただし、実父母の一方の死亡や行方不明又は意思表示ができないときは、他方の実父母です。

・実父母が離婚している場合で、実父母が養子縁組後に離婚してるときは、その協議で、離婚後の親権者と定められた者です。

協議が不調又は不能であるときは、父若しくは母は養親の請求によって、家庭裁判所が協議に代わる調停又は審判により親権者と定めたものです。

実父母が養子縁組前にすでに離婚していたときには、親権者として養子縁組の代諾をした実父又は実母です。

・離縁後に法定代理人となるべき者がない場合は、養子の親族その他の利害関係人の請求によって、家庭裁判所が養子の離縁後にその未成年後見人となるべき者として選任した者です。

・養父母が離婚している場合で、養子が親権者でない養親と離縁するときは、親権者である養親です。

養子が親権者である養親と離縁するときは、離縁によって親権者でない一方の養親の親権や実父母の親権が復活しないので、離縁後に法定代理人となるべき者がない場合と同様に、家庭裁判所によって選任された未成年後見人となるべき者です。

・養親の一方が死亡している場合、養子が生存養親とだけ離縁するときは、実親の親権が復活しないので、離縁後の法定代理人となるべき者がない場合と同様に、家庭裁判所によって選任された未成年後見人となるべき者です。

・転縁組がなされている場合、養子が第1の縁組の養親と離縁するときは、第2の縁組の養親が親権者ですから、その第2の養親です。

養子が第2の縁組の養親と離縁するときは、第1の養親の親権が復活しますから、その第1の養親です。

(2)養親が夫婦である場合に、未成年者と離縁するときに、夫婦共同でしなければなりません。

ただし、夫婦の一方が精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況又は行方不明などの事由により、その意思を表示することができないときは、他の一方だけで離縁することができます。

夫婦共同離縁に違反して離縁の届出がなされたときは、その届出は受理されません。

しかし、離縁の届出がいったん受理されれば、違反した届出であっても、そのために離縁の効力は妨げられることはありません。

②管轄

相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所

③添付書類

養親・養子の戸籍謄本

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養子離縁調停手続・・・

調停委員会は、当事者の主張を聴くとともに、職権で必要な事実の調査及び証拠調べなどを行ないます。

その結果、当事者間に離縁につき合意が成立し、これを調書に記載したときは、離縁が成立したものとし、その記載は確定判決と同一の効力を有します。

調停委員は、事件が性質上調停するのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的で調停の申立をしたと認めるときは、調停をしないことができます。

調停をしない措置に対して、不服申立を許す規定はないので、即時抗告は認められません。

民事調停でも調停をしない措置につき同じ規定がありますが、この措置に対して不服申立は認められません。

調停委員会は、当事者間に合意が成立する見込がない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合において、家庭裁判所が審判をしないときは、調停が成立しないものとして、事件を終了させることができます。

調停不成立として事件を終了させる処分は審判ではないので、これに対して即時抗告や非訟事件手続法による抗告をすることができません。

また、裁判所書記官が当事者に対して行なう通知も、調停手続における審判に該当しないので、同様に解されます。

養子離縁調停事件について、調停が成立せず、かつ、調停に代わる審判をしない場合において、当事者がその通知を受けた日から2週間以内に訴えを提起したときは、調停申立の時に、その訴えの提起があったものとみなされます。

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