満期日が白地の手形・・・
満期日が白地の手形については、注意が必要です。
満期日が白地の手形は、満期日を補充しなければ権利が時効消滅しないことになりますので、補充しうる時期を起算点として、5年の時効により補充権が消滅すると解されています。
補充しうる時期である振出交付日から5年以内に補充しなければ補充権は消滅します。
逆に、即日を満期日として補充された場合、即日に支払を請求される危険性もあります。
満期日の記載がない手形は、一覧払手形とみなすと定められています。
一覧払手形は、支払呈示があった日を満期とします。
また、手形上の権利は、手形を振り出した日ではなく、手形に記載された満期日を起算点として消滅時効にかかります。
満期日を起算点として3年で手形金の請求権が時効消滅することになります。
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手形の詐欺や強迫の取消し・・・
詐欺や強迫によって自分の意思に反して、手形を振り出した場合、その手形行為は取消すことができます。
ただし、その手形が善意の第三者に譲渡されてしまうと、支払う責任が生じてしまいます。
詐欺や強迫によって手形を振出した場合には、まずは警察に告訴状を出し、その写しと受理証明書を受け取っておきます。
この書類は、異議申立提供金返還請求や不渡処分取消請求の際に必要になります。
また、支払銀行に詐欺あるいは強迫により手形を振出された旨の事故届を出します。
それにより、その手形の支払はなされなくなります。
銀行に届出をしただけでは、手形振出人が不渡報告及び取引停止処分を受けてしまうおそれがあります。
振出人は、異議申立預託金を提供して異議申立の手続を依頼することになります。
振出人は、その後、裁判で詐欺や強迫があったかどうかを争います。
異議申立手続が間に合わず、手形振出人が不渡報告及び取引停止処分を受けてしまった場合にも、事後的な救済として不渡処分の取消も認められます。
異議申立提供金の提供の免除、異議申立提供金の返還、不渡処分の事後的取消については、手形交換所に設置された不渡手形審査専門委員会が審査して決定します。
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融通手形と見せ手形・・・
商業手形は現実に行われている商取引の決済手段として振出される手形で、手形としては、しっかりと辻褄のあう手形であるといえます。
現実の商取引とは関係なく振出される手形も存在し、それを見せ手形や融通手形などといいます。
融通手形とは、お金を融通するために振出される手形のことをいい、例えば、お金を貸してあげる代わりに手形を振出すような場合をいいます。
この手形の交付を受けた人は、その手形を誰かに譲渡したり、銀行で割り引いてもらうことで現金を得るのです。
ただ、銀行は融通手形だとわかると、手形割引に応じない場合もあるようです。
銀行などの金融機関が融資を行う際に、手形を利用する場合があり、これを手形貸付といいます。
手形貸付の場合、金融機関から融資を受ける人が振出人となってお金を借り、手形自体は銀行が保管し、振出人は満期に定められた金額を支払うことになります。
また、商取引に基づかずに振出される手形に、見せ手形と呼ばれるものがあり、これは手形の存在を見せるためだけのものです。
あまり信用力のない会社が、信用力のある会社が振出した手形を相手方に見せることによって、取引に応じてもらう目的で使われます。
見せ手形の振出を依頼した人が振出人に支払い請求をした場合には、振出人は支払を拒否することができます。
ただし、この手形が事情を知らない人に裏書された場合に、支払を求められれば、振出人には支払義務があるのです。
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