小切手の裏書譲渡・・・

小切手の裏書譲渡・・・

小切手は振出しの日から10日以内に支払呈示しなければならないので、手形のように裏書が行われることは少ないのですが、裏書譲渡することはできます。

手形と違い小切手に裏書するための裏書欄がないため、裏書するときは、譲渡される人が裏面の適当なところに署名して押印するだけです。

裏書する場所がなければ、補箋をつけて同じように署名・押印します。

補箋をつけて使用するときは、小切手のコピーやほかの小切手を継ぎ足したりして継ぎ目に割印を押し、使用しない表面に×印をつけておきます。

小切手を受け取った人が再び裏書譲渡するときも、同じような方法で裏書を繰り返して行います。

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線引小切手の性質と種類・・・

線引小切手とは、統一小切手に二本線の平行線が引かれていたり、またその平行線内に「銀行」「BANK」という文字が記載されていたり、あるいは特定の銀行名が記載されてる小切手のことをいいます。

線引小切手では、小切手の支払受領資格が制限されています。

小切手は誰が受取人であるか通常記載されていないため、銀行に呈示すれば、誰でも支払を受けることができるため、盗難にあったり紛失した小切手でも、銀行に持ち込めば、持ち込んだ人に小切手が支払われてしまいます。

線引をすることで支払相手が制限されると、小切手が盗難に遭ったり紛失しても、それが使用される危険が少なくなります。

銀行が、もし振出人が線引して制限した支払受領資格者ではない者に支払をして、さらにそれによって本来支払われるべき人に損害が出た場合、銀行は損害賠償を負うことになっています。

小切手を線引するための手続は、統一小切手用紙に平行な二本線を引いたり、あるいはその平行線内に銀行名を書いたりするだけです。

小切手を受け取った受取人や裏書人も、振出人の同意を経なくても線引することができます。

線引小切手には、一般線引小切手と特定線引小切手の2種類があります。

二本線の間に「**銀行」などの特定の銀行名を書くと、特定線引小切手になり、記載された特定の銀行にしか支払われない小切手ということです。

一般線引小切手の場合は、銀行か支払銀行の取引先に支払受領資格が制限されます。

小切手所持人の口座が支払銀行にあれば、店頭で呈示すればすぐに支払を受けることができます。

また、口座のない銀行であれば、所持人は自分の取引銀行に取立てを依頼して、支払銀行から取引銀行に支払ってもらうことになります。

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小切手の呈示期間・・・

小切手の支払呈示期間は、振出日から10日間とされており、この期間に銀行の休業日が入っていても、期間の延長はされません。

ただし、最終日が銀行の休業日のときは、翌営業日が最終日となります。

また、振出日にも銀行へ持ち込んで呈示することができるため、実質は11日間となります。

当事者間で勝手に呈示期間を延長して小切手に記載しても無効となります。

支払呈示期間を過ぎているのに気づかずにいて、そのまま銀行に呈示した場合、実際の場合、支払銀行が支払いに応じることはあります。

しかし、呈示期間を過ぎて銀行に呈示しても、小切手所持人は振出人や裏書人に対して担保責任を追及できないのです。

小切手を振出すときは、振出人の当座預金口座には小切手に記載された金額以上の資金が残っていなければならず、そうでなければ不渡になってしまいます。

銀行は一時的に小切手による支払金の不足分を立て替えて支払うことがあり、これを過振りといいます。

小切手が支払銀行に呈示されても、振出人の当座預金口座の残高不足で支払ができない場合、銀行は直ちに振出人に資金不足であることを通知します。

同時に、振出人にすぐに入金できるかを確認し、入金できないようなら不渡が決定してしまいます。

すぐに入金できるようなら、銀行は一時的にその小切手の分は立て替えて、過振りとして支払うのです。

過振りした後、銀行は振出人に対して立替金とその利息を請求します。

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小切手の盗難や紛失・・・

小切手を支払った後で、小切手金を支払うと困るようなことが起きたとき、振出人は支払銀行に依頼して支払いを止めることができ、これを支払委託の取消しといいます。

小切手の所持人から盗難に遭ったとか紛失してしまったとかいう場合や振出人の小切手帳を利用して偽造があったことがわかった場合などです。

しかし、法律上では、支払委託の取消しは呈示期間が終了してから効力が発生するとしているのです。

支払呈示期間中に盗難に遭って振出人が支払委託の取消をしたとしても、効力が発生するのは、支払呈示期間が終了してからなのです。

これは小切手の所持人の保護のためとされているのですが、実務上、銀行は振出人から支払委託の取消があれば、すぐに支払いを止めます。

銀行は、受取人よりも振出人との信頼関係が深いからです。

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