ペットの犬が殺された損害賠償・・・

ペットの犬が殺された損害賠償・・・

可愛がっていたペットの犬が、近所の子供たちに殺されました。

子供たちに損害を賠償させることはできませんか?

飼い主が故意に犬をけしかけたり、あるいは犬をつなぎ忘れたとか、公道に接した場所で長いリードを使用してつないでいたところ犬が公道に飛び出して子供に噛み付いたなどの管理上の過失があったために、逆に犬が殺された場合は、飼い主の方が悪く、子供の行為は正当防衛となりますから、損害賠償することはできません。

(正当防衛及び緊急避難)
民法第720条 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。
2 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。

むしろ、子供が負傷したり、着衣を破られたときは、その損害を賠償しなければなりません。

これは飼い主の故意・過失に基づく不法行為とされます。

飼い主は十分の注意をもってつないでいたのに第三者がリードを解いたため、犬が子供に噛み付き逆に殺された場合は、飼い主には何ら故意・過失はありませんから損害賠償責任を負わされることはありません。

しかし、犬の死亡について子供の側に対し損害賠償を請求することはできません。

この場合、子供が犬を殺すのはやむを得ないので、緊急避難という違法性のない行為と解されるからです。

飼い主に故意・過失もなく、犬も子供に危害を加えなかったりしたのに、子供が犬を殺した場合は、子供の側に不法行為が成立します。

飼い主は子供あるいはその監督義務者に対し損害賠償請求できます。

損害の額はその犬の時価が原則です。

血統書付きの純血種ですと、子犬を産ませたり、交配料を得るなど経済的利益をあげられますが、それも損害の中に含まれます。

飼い主にとっては、愛情があり、死亡によって精神的苦痛を受け、その損害の慰謝料がどれくらいになるかですが、判例では、アラブ競争馬について30万円、犬について5万円としています。

スポンサードリンク

銀行通帳を盗まれ預金を下ろされた銀行の責任・・・

家に泥棒に入られ、通帳を盗まれました。

銀行印を盗まれなかったので、安心していたのですが、銀行印を偽造され、全額が降ろされました。

偽造された印影に気づかず、本人確認もしなかった銀行に損害賠償したいのですが?

被害者としては、銀行に対し、本人確認の義務を怠って泥棒に払い戻したのであるから、その払戻は銀行を免責するものではないと主張できます。

判例では、銀行が預金を払い戻すには、本人かどうかを確認しなければならないのですが、その確認義務の内容は、払戻請求書に押された印影が届出印と同じかどうかでほとんど決まるとされています。

届出印の印影の直系は約1センチであるのに払戻請求書に押印された印影の直系が約1.1センチであり、肉眼で子細に照合すれば形態に違いがあることに気づくことができるとして、銀行を免責しなかった事例があります。

また、預金払戻に来た者が自分の名前を書き間違った、定期預金を解約する際に住所を書き間違ったなどを根拠に、銀行が本人確認の義務を怠ったとした事例があります。

普通預金は流動性が予定されており、払戻請求者が住所を間違った場合でも銀行に過失はないとされています。

現在では、通帳に印影が押されていませんので、印影を偽造することはできなくなっています。

スポンサードリンク

クレジットカードの不正使用の支払義務・・・

友人にクレジットカード預けて、買い物を頼んだのですが、友人は預けたクレジットカードで勝手にいろんな物を買い、行方がわかりません。

支払義務はあるのでしょうか?

カード会社の規約では、一般的にカードを他人に貸すことを禁止し、もし貸与した場合にはそのカード会員に支払義務があるとしています。

家族や友人に使用を許したような場合、もし貸与された者が許容された目的や額を超えて利用した場合でも、カード会員が支払い責任を負うことになります。

裁判所はこのカード会社の規約を原則として有効とし、例外的に、加盟店は実際にカードを利用する者の署名や性別から考えて、カード会員本人の利用でないと容易に知ることができたような場合には、カード会員本人に全額を負担させることは信義則に反するとして、5割前後を減額したり、理容限度額の範囲に責任を限定したりしています。

例えば、カード名義人が女性であるのに実際に利用しようとする者が男性であったり、売上伝票に記載された署名が姓だけであったりなどです。

加盟店がカード利用者がカード会員本人かどうかの確認をしたが、別人であるとは容易に知りえなかったような場合には、不正利用であってもカード会員本人に支払い責任が生ずることになります。

カードを落としたり、盗まれた場合はどうでしょうか?

カード会社の規約では、拾った者や盗んだ第三者が無断でカードを利用した場合でも一応カード会員に支払義務があると前提しています。

ただし、ほとんどのカード加入契約において、カード会社はカード会員を被保険者とした保険契約を締結してるので、カードを盗んだ者や拾った者が不正使用した金額の填補を受けられますが、盗難あるいは紛失を知ったときから直ちにカード会社及び警察署への被害届をする必要があります。

カード名義人が保険金の請求ができないとされるような場合は、次のような場合です。

①紛失、盗難が会員の故意又は過失による場合

②会員の家族、同居人、留守人などの会員の関係者の不正行為による場合

③紛失、盗難、被害状況の届出が虚偽であった場合

④戦争、地震など著しい社会秩序の混乱の際に紛失、盗難が発生した場合

⑤保障期間(届出の受領日より前60日以降に生じた損害)より前に生じたカードの不正使用による損害

⑥他人に譲渡、貸与、担保差し入れしたカードの使用により生じた損害

その他、盗難、紛失の状況についてカード会社及び保険会社に対して説明しないなど協力義務を尽くさないこと、などがあります。

スポンサードリンク

ネット詐欺で振込んだ返還請求・・・

インターネット上で商品を購入し、代金を指定口座に振り込んだのですが、商品が届きません。

購入した連絡先に連絡したところ、そんな情報を流したことはない言われました。

誰に返還請求をすればよいのでしょうか?

インターネットを利用した企業同士の商取引や銀行と個人間の取引、ネット証券会社と個人の取引などでは、このような「なりすまし」と逆に「なりすまされたと主張して否認する」方法による被害を防止するために、契約の申込と承諾という通信の内容を暗号化したり、取引する当事者を特定のIDとパスワードなどで確認したりする手段をとっています。

それでも「なりすまし」や「なりすまされたと称する否認」を完全に防ぐことはできませんから、あらかじめ本人確認の方法に関する取り決めを行い、その取り決めに従った取引が行なわれた場合には原則的に契約が成立したものとして扱うようにしています。

しかし、このようなセキュリティがない個人間のネット取引では、本人確認ができません。

そうなると、まずは警察に相談するしかなくなります。

警察が調べてくれるなら、なりすまし犯人が、振り込んだ銀行口座をどうやって取得したかなどの調査から犯人を特定できる可能性もあります。

スポンサードリンク