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カラオケの騒音で損害賠償・・・
近所の夜中のスナックのカラオケの騒音がうるさく、騒音をやめさせたり、損害を賠償させるようなことができるでしょうか?
この場合、将来的に騒音の発生を防止するような処置を求める差止め請求と、既に被っている損害の賠償を求めることができると考えられます。
カラオケ装置を置き、連日午後4時から午後11時過ぎ、時には翌朝2時過ぎまで客にカラオケを使わせて営業していたお好み焼き店を相手に近所の住民が訴えを起こした事件があります。
その騒音の大きさは、当時の騒音規制法の規制基準の45ホンを上回る50~65ホンに達していました。
裁判所は、お好み焼き店の行為は不法行為となるから、損害賠償の支払を命じています。
騒音規制法などの行政基準を超えた騒音を出していることが認められる場合には、不法行為の成立が認められ、損害賠償の請求ができるのです。
この判例においては、原告が損害賠償額を100万円請求したのに対し、裁判所は20万円しか認めませんでした。
差止め請求については、その後防音工事がなされ、カラオケ騒音は周辺の騒音と聞き分けられない程度に減ったこと、及びカラオケも午後11時には終わるようになったことを理由に認めませんでした。
また、似たような事例で、カラオケボックスの騒音及び利用者の自動車の音などの騒音の被害に対し、受忍限度を超えているとして、被告に午前0時から午前4時までの営業停止と慰謝料の支払を命じたものがあります。
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隣のマンションの窓の目隠し請求・・・
自宅の向かい側にマンションが建築され、マンションの2階から6階のバルコニーから自宅の窓を通して丸見えなのですが、バルコニーに目隠しをしてもらうように請求できませんか?
民法では、私生活を覗き見されないよう人格的利益の保護を目的とするため、目隠しの設置を求める規定があります。
民法第235条 境界線から1メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。
2 前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。
しかし、民法では隣地との境界線から1メートル未満の距離の隣地とされており、1メートル以上の隣地には、目隠しの設置義務がないのかどうかが問題となります。
住宅が高層マンション化され、多少高い塀を構築されても高層建物から隣家を見下ろす容易なため、現在では観望すべき窓又は縁側が1メートル以上離れていても隣地居住場所のプライバシーを侵害する場合には、目隠しをつけるものと考えられています。
マンションの1階駐車場及び東側バルコニーから隣家の1階及び2階西側窓を通して中が丸見えの状態であるため、プライバシーの侵害を理由に目隠しの設置を求めた事例があります。
裁判所は、プライバシーの侵害であり、他人の権利を違法に侵害するものとして不法行為が成立する。
不法行為による損害賠償の方法は原則として金銭によるべきであるから「目隠し」の設置は認められない。
プライバシーの侵害を防止するには、本件マンションの目隠しを設置するよりは、隣家でブラインドを設置する方法がより安価である、としてブラインド設置費用11万の損害賠償を認めました。
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隣家の室外機の騒音の損害賠償・・・
隣家の冷暖房機の室外機の騒音に耐えられず、耳鳴りや吐き気があるので、医師に診察を受けたところ、通院しなければならなくなり、隣家に改善するよう頼みましたが、逆に言いがかりをつけてくると言われ、困っています。
隣家にどのような請求ができますか?
法律上の方法では、騒音発生源に対する差止め請求又は防音設備の設置を請求すること、健康被害及び精神的苦痛に対する損害賠償請求などです。
これらの請求を求める根拠としては、社会生活を営む上で、お互いに我慢しなければならないことがありますが、その程度を超えて被害が発生している場合は、被害回復のための手段を認める必要があると考えられ、この程度の基準を受忍限度といいます。
騒音の場合は環境基準を遵守すべきものとして行政規制基準を受忍限度の限界値としています。
東京都公害防止条例では、近隣商業地域の場合、午前6時から午前8時までは55デジベル、午前8時から午後8時までは60デジベル、午後8時から午後11時までは55デジベル、午後11時から翌午前6時までは50デジベルを超える騒音を出してはならないとされています。
騒音の測定は、屋敷の境界線上に測定器を設置して測定します。
測定は市役所等の公害担当課に相談します。
測定によって、基準値を超えるようでしたら、都道府県から防音設備を改善するよう勧告してもらい、それでも改善がない場合には、裁判所に差止め請求と損害賠償を求めることになります。
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野良猫の餌付けで糞尿の悪臭の損害賠償・・・
隣家の住人が猫好きで、自分の飼い猫に餌を与えるときに野良猫にも餌を与え、隣近所に集まって糞尿をするので悪臭がしてたまらず、なんとかすることはできませんか?
判例では、裁判所は猫嫌いの人に野良猫に餌付けすることを注意されたのに止めないことに過失があるとし、世の中には様々な趣向の人々が存在し、猫等の小動物を好む人も多く存在する。
こうした趣向に基づく行動の自由はできる限り尊重されるべきであるが、これを嫌う人も多く存在する。
このように他人に不快感を与えないようにする配慮が必要であるとして、餌付けを続けることは野良猫による被害が受忍限度を超えるものである以上は違法であると認定しています。
このような場合、被害を受けた人が隣近所で複数存在する場合には、1人当たりの慰謝料の金額が少なくても、合計するとかなりの金額になることになります。
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私鉄の沿線の騒音振動の慰謝料・・・
私鉄の小田急沿線住民が電車の運航事業者に対し、電車の走行に伴って発生する騒音、振動の被害に対し慰謝料の請求をした事例があります。
小田急沿線住民は、従来の生活妨害による損害を1人当たり50万円と、将来にわたって申請時より1人日額500円の賠償額を求めました。
これに対し、公害等調整委員会は将来にわたる損害は認めませんでしたが、住民の生活状況を個別的に審査して1人当たり14万4,000円から31万8000円の間で各自の損害賠償を認めました。
この事例は、侵害行為の態様、被害の発生と因果関係、違法性、危険への接近、損害の限度等について争われました。
侵害行為については、小田急沿線での電車の運行状況は、1日上下合わせて800本の走行があり早朝5時から深夜1時ごろまで20時間連日休みなく運行されており、これによる騒音・振動が沿線の相当範囲の地域に影響を及ぼしているとしました。
この裁定では、住民の建物の物的被害についての申立は、振動、騒音による被害であることを認める証拠はないとして棄却しました。
将来の賠償請求は、運送事業者が今後被害の防止、軽減のためにする諸方策、その実施状況と反面住民側に生ずるであろう種々の生活事情の変化によって侵害行為の基礎となる事実関係が確定できないとして認めませんでした。
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