著作権の遺贈・・・

著作権の遺贈・・・

財産権である著作権は、遺贈の目的とすることができます。

共同著作権については、他の共有者の同意を得なければその持分を譲渡したり、質権の目的とすることができません。

各共有者は、正当な理由がない限り、共同著作権譲渡の同意を拒むことができません。

共同著作権の持分権者に対して持分譲渡の同意を命じた事例があります。

著作権の移転は、相続その他の一般承継によるものを除いて、登録をしなければ第三者に対抗することができません。

特定遺贈による著作権の移転は、登録をしなければ第三者に対抗することができません。

包括遺贈による一般承継の場合は、登録がなくても第三者にその権利を主張することができます。

著作権移転の登録は、登録権利者(受遺者)及び登録義務者(遺贈義務者)が共同して申請します。

申請書に登録義務者の承諾書又は登録の原因を証明する書類を添付したとき、判決に基づく登録であるときには、登録権利者が単独で申請をすることができます。

スポンサードリンク

生命保険金受取人指定の遺言・・・

生命保険契約において保険金受取人を指定・変更する権利を留保している場合、生命保険契約者である遺言者は、保険事故発生までの間、いつでも、第三者を保険金受取人に指定し、又はその指定を取消し若しくは変更することができます。

団体定期保険契約の被保険者は、遺言によって死亡保険金の受取人の指定をすることができないとした事例があります。

団体定期保険とは、大企業や企業グループに勤める社員などを被保険者とする、保険期間1年の死亡保険です。

自分で保険料を負担して任意加入する場合のほか、会社が保険料を負担してくれる場合もあります。

自己を被保険者とする生命保険契約の契約者である被相続人が死亡保険金の受取人を変更する行為は、民法1031条に規定する遺贈又は贈与に当たるものではなく、これに準ずるものということもできないと解されています。

(遺贈又は贈与の減殺請求)
民法第1031条 遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。

保険約款上、保険金の支払理由発生前に限り保険契約者又はその承継人が死亡保険金受取人を変更できることを前提として、「死亡保険金受取人の死亡時以後、死亡保険金受取人が変更されていないときは、死亡保険金受取人は、その死亡した死亡保険金受取人の死亡時の法定相続人に変更されたものとします」とある趣旨は、保険金受取人と指定された者(指定受取人)の死亡後、保険金受取人の変更のないまま保険金の支払理由が発生して、その変更の余地がなくなった場合には、その当時において指定受取人の法定相続人又は順次の法定相続人で生存する者を保険金受取人とすることにあると解するのが相当であるとして、保険契約者甲、指定受取人乙とする契約において、まず、乙が死亡してその法定相続人は甲、A、B、次いで甲死亡してその法定相続人はA、Bであるとき、死亡保険金の受取人を原審は甲(第一順位、第二順位の相続人が相続放棄したので実際の受取人は相続財産法人)、A、Bとしましたが、上告審ではA、Bとされました。

スポンサードリンク

生命保険金受取人の指定の判例 ・・・

保険証券の死亡保険金受取人欄には、「法定相続人」と記載されている場合、法定相続人が複数のときは法定相続分によるべきではなく民法427条により各相続人が均等の割合により取得するとした事例がありましたが、この判決は、破棄され差し戻されました。

(分割債権及び分割債務)
民法第427条 数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。

控訴審は、受取人の指定がなかったものとし、仮に指定があったとしても保険金の帰属割合までの指定はなかったと解しましたが、上告審は、本件契約申込書の死亡保険金受取人欄に受取人の記載はされていなかったが、同欄には「相続人となる場合は記入不要です」との注記がされ、保険契約者はこれに従って保険金受取人の記載を省略したと解するのが合理的であり、受取人を「相続人」と指定したものというべきであると解しました。

そして、保険契約において、保険契約者が、死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合は、特段の事情のない限り、右指定には、相続人が保険金を受け取るべき権利の割合を相続分の割合によるとする旨の指定も含まれているものと解し、このような場合、数人の相続人がいるときは、特段の事情のない限り、民法427条にいう「別段の意思表示」である相続分の割合によって権利を有する指定があったものと解すべきであるから、各保険金受取人の有する権利の割合は、相続分の割合になるというべきであるとされました。

被相続人が相続人たる兄弟姉妹以外の第三者にその全財産を包括遺贈した場合、兄弟姉妹の相続分は皆無となるが、これがため、兄弟姉妹が相続人たる地位を失うべきいわれはないとされます。

被相続人が保険金受取人を相続人と指定した場合、保険金受取人に指定された相続人が被保険者の死亡によって保険金請求権を取得するのは、保険契約に基づく当然の効果であって、相続に基づく承継取得ではなく、保険金請求権は相続人の固有財産に属し、その相続財産に属するものではないとされています。

スポンサードリンク

生命保険金受取人指定の方式・・・

保険契約者のする生命保険金受取人の指定・変更の方式に関しては、商法上、これを定めた規定はありません。

遺言によってすることもできると解されています。

保険金受取人変更は、保険契約者の一方的意思表示によりその効力が生ずること、この判例は、保険金受取人変更の意思表示の相手方は、保険者又は新旧保険金受取人のいずれに対するものでもよいと判示しており、これを相手方のある意思表示と解しているかのようであるが、一方的意思表示と解する限り、単独の意思表示としてすることも許容するべきであり、保険契約者が、保険金受取人の指定変更権を有する場合において、その権利を行なわずして死亡したときは、保険金受取人の権利は確定すると定めている。

保険契約者が遺言によってその変更権を行使したときも、その意思表示自体は生前に行なわれているのであり、死亡までにその権利を行なったものと解すべきであり、遺言の性質上、その効力は遺言者の死亡によって生ずることになるが、保険者としては、その通知があるまではその変更を対抗されることはなく、そのことによって特段の不利益を受けることはないとして、遺言による生命保険金受取人の変更を認めた事例があります。

生命保険金受取人を指定又は変更する遺言は、遺言者の死亡の時に効力を生じます。

(遺言の効力の発生時期)
民法第985条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

スポンサードリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする