生命保険金受取人が指定されている遺言・・・
生命保険契約において保険金受取人を指定・変更する権利を留保している場合、生命保険契約者である遺言者は、保険事故発生までの間、いつでも、第三者を保険金受取人に指定し、又はその指定を取消し若しくは変更することができます。
商法(削除)第六百七十五条 保険金額ヲ受取ルヘキ者カ第三者ナルトキハ其第三者ハ当然保険契約ノ利益ヲ享受ス但保険契約者カ別段ノ意思ヲ表示シタルトキハ其意思ニ従フ
2 前項但書ノ規定ニ依リ保険契約者カ保険金額ヲ受取ルヘキ者ヲ指定又ハ変更スル権利ヲ有スル場合ニ於テ其権利ヲ行ハスシテ死亡シタルトキハ保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ権利ハ之ニ因リテ確定ス
被相続人が締結した生命保険契約において、保険金受取人として指定された特定の相続人が生命保険金請求権を取得するには第三者のためにする保険契約の効果によるもので、この請求権は受取人の固有財産に属して相続財産を構成するものでないから、被相続人はこれを遺贈の目的とすることはできず、受取人として指定された相続人以外の第三者に右請求権を遺贈する旨の遺言はその限度で無効であり、また、それだけでは受取人の変更としての効力を生ずるものではないとされています。
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生命保険金被保険者が従業員・・・
従業員を被保険者とした生命保険契約に基づく死亡保険金の一部を退職金として遺族に支払うことを命じた事例があります。
従業員(トラック運転手)を被保険者とする傷害保険契約により、運送会社が受領した死亡保険金5000万円につき、遺族は、会社に対して、会社が本件契約締結の際、保険会社が差し入れた本件規程に基づく災害補償金の支払請求権を取得するが、本規程の死亡補償金5000万円の定めはその上限を定めたものであり、本件では、遺族が取得した損害賠償請求権の残額、遺族が取得した労災給付、本人の会社での勤務歴等を考慮し、会社が遺族に支払うべき災害補償金は3000万円をもって社会的に相当な額とした事例があります。
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生命保険金被保険者が会社役員 ・・・
被保険者会社役員、保険金受取人会社の生命保険契約により、会社に支払われた死亡保険金につき、役員退職慰労金規定に従って計算した退職慰労金及び弔慰金相当額を役員の遺族に支払う旨の合意があったことを認めて、会社役人の相続人に対して法定相続分の割合による支払を命じた事例があります。
被保険者を会社役員、保険金受取人を会社とする傷害保険契約により、会社に支払われた入院給付金につき、入院給付金相当額を会社役員に支払う旨の合意があったと認め、会社に法定相続分の割合による会社役員の相続人に対する支払を命じた事例があります。
配当契約保険金については、保険会社が定款の規定により積み立てた配当準備金の中から死亡とは何ら関連しないものであり、これを会社が受領したとしても会社が会社役員の遺族に対し相続額の金銭を支給すべきとの認識は会社及び会社役員にはなかったというべきであるとして、その給付請求を認めませんでした。
会社役員を被保険者とする生命保険契約により、会社に支払われた死亡保険金につき、会社と会社役員との間で保険事故発生の場合、会社役員又はその相続人に対し、保険金等相当額の全部又は相当部分を退職金、弔慰金又は見舞金として支払う旨の合意をする趣旨が含まれており、その旨の合意が成立したことを認め、この合意に基づき、会社支払うべき退職金、弔慰金、見舞金の額を、本件契約締結時、会社役員死亡当時会社には退職金又は弔慰金に関する規定はなかったので、会社の事業規模、会社役員の会社における地位、職務、在籍期間、貢献度及び給与の額、支払を受けた保険金等の額、その他総合考慮した上、社会通念上相当と認められる額として会社が取得した保険金等の額2分の1と定め、算出額から会社が既に支払済みの金額を差し引いた金額を法定相続分の割合により各相続人に対して支払うことを命じた事例があります。
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相続人の生命保険金請求・・・
保険契約者Aと生命保険会社間の被保険者A、満期受取人A、死亡保険金受取人B、高度障害保険金受取人は死亡保険金受取人とする保険約款は公序良俗に反して無効であることを理由とする相続人らの遺産確認請求が棄却された事例があります。
保険会社が、生命保険金、障害保険金を合計すると57億円余りの複数保険契約は、その加入について合理的な動機、理由がなく、合理的な危険分散という保険の本来の機能を超え、保険事故発生の偶発性を破壊するおそれ、あるいは高額の不労利得を許すことになるとして、公序良俗違反を主張して保険金の支払を拒絶したのに対して、
①保険契約締結には保険会社側の強い勧誘が原因になっていること、
②その際、保険会社側が保険契約者(医療法人)の借入金の倍額程度の保険加入を強く勧めたこと、
③保険契約者の経営者がその死亡によって得られる保険金額と借入金をほぼ同額にしていたことは不合理ということはできない、
④相続税支払の原資とするために保険契約を締結しておくことは一定の合理性があるとして、その主張を認めなかった事例があります。
傷害保険等の被保険者が軽四輪自動車を運転中電柱に衝突して死亡した事故につき、保険金の受給を目的とした自殺の疑いが濃く、保険契約上の死亡保険金の支給事由である「急激かつ外来の事故」にあたらないとして、被保険者の相続人による保険金請求が棄却された事例があります。
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