手形割引とは・・・

手形割引とは・・・

受け取った手形は、裏書して債務の支払いにあてるか、あるいは銀行に取立委任するほかに、支払期日前に銀行や街の金融業者に裏書譲渡して、その日から支払期日までの金利と手数料を差し引いた金額を受け取ることで、現金化することができます。

これを手形割引といい、差し引かれる金利分を割引料といいます。

銀行では、手形割引を割引依頼人に対する貸出しの一種とみなして、依頼人ごとに一定の限度の割引き枠を設けています。

また、手形割引を引き受けるにあたり、割引き依頼人は保証人とともに銀行取引約定書に署名しなければなりません。

これには、割引きしてもらった手形が不渡りになったり、振出人や依頼人の信用が著しく悪化した場合、依頼人は割引きした手形を額面で買い戻す義務があるというように規定されています。

また不渡りになった場合は、手形の所持人である銀行に遡求権がありますが、遡求手続の手間を省くために、依頼人に直接買戻請求をします。

手形の割引料を計算する際の金利を割引率といいます。

<例>

手形金額200万円、割引率5%、支払期日まで90日の場合

割引料=手形金額×割引率×割引き日から支払期日までの日数/365日

=200×0.06×90/365

=29,589円

受け取り金額=手形金額-割引料

=200万円-2万9589

=1,970,411円

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手形貸付とは・・・

手形貸付とは、借手が貸手を受取人とした約束手形を振り出すことで融資を受ける方法で、手形割引とともに銀行の短期貸付手段として利用されています。

手形貸付も手形割引と同じように、受取額は借入金額である手形金額から金利分を差し引いた金額になります。

手形貸付を受ける際には、申込人の信用、金額、資金使用目的、保証人、返済の見込みなどを審査されます。

法律的には手形貸付は金銭消費貸借であり、手形は金銭消費貸借契約書の代わりといえます。

手形貸付には、証書貸付に比べて次のメリットがあります。

①貸手は裏書によって譲渡できます。

②不渡りを出すと不渡り処分があるので、プレッシャーになります。

③不渡りになった場合に迅速で簡単な手形訴訟を利用できます。

④貸借証書に比べて印紙税が安くなります。

⑤貸手にとって条件面が明確です。

⑥貸手にとって金額の見直しが簡単です。

なお、商業手形担保付手形貸付とは、金額の小額な手形を一括して担保として預けた上で貸付を受けることです。

商業手形担保付手形貸付では、貸手は担保手形の取立を優先し、それで回収できなかったり回収金額が不足した場合に、手形貸付の手形を取立に回します。

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手形振出を受ける場合には・・・

手形振出を受けるときには、手形要件に注意する事が必要です。

①手形用紙

手形用紙は統一手形用紙を使っているか。

初めて振出を受ける場合には、その統一手形用紙を交付した銀行に電話して、振出人がその銀行に当座勘定口座を持っているかまで確認します。

なお、統一手形用紙を使っていないと不渡りになります。

②手形金額

手形金額は正しいか、チェックライターを使っているか、手書きの場合は壱、弐、参、拾などの漢数字で記載されているか。

手書きのアラビア数字だと金額記載方法相違で不渡りになってしまいます。

金額が複記されているときは、同じ金額になっているか。

③振出人

振出人の住所が記載され、記名押印されているか。

法人が振出人の場合には、住所・法人名・代表資格・代表者の氏名が記載され、押印されているか。

初めて振出を受ける場合には、振出人の資格や押印されている印鑑が届出印であることを振出人に確認する。

④その他の手形要件

その他の手形要件は記入されているか、誤記されていないか。

支払期日、受取人、振出日、金額などの手形要件の一部が白地でも補充できますが、なぜ白地になっているのかを振出人に確認する必要があります。

⑤有害的記載事項

有害的記載事項が書かれていないか。

「商品と引換えに」とか「工事竣工時に」などと書いてあると、手形は無効になります。

⑥裏書禁止

裏書禁止になっていないか。

「指図禁止手形」「裏書禁止手形」を受け取った場合には、自分が裏書することができません。

⑦収入印紙

収入印紙を貼って消印してあるか、印紙税額は正しいか。

印紙が貼っていなかったり消印されていなくても手形は有効ですが、振出人は過怠税を徴収されることがあります。

⑧訂正

訂正がある場合、正しくされているか。

手形は金額以外は訂正が可能ですが、訂正されている場合は、横棒2本線で訂正されているか、訂正箇所を正しく記載しているか、訂正印が押されているか、訂正前の記載が読み取れるか。

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