婚約不履行の訴訟とは・・・
婚約不履行は不法行為になりますから、相手に損害を生じさせたときは、損害賠償義務が発生します。
婚約不履行の訴訟は、損害賠償請求の訴訟になるわけです。
婚約不履行による損害賠償としては、次になります。
①財産上の損害
結納の費用、婚約パーティの費用など、婚約のために出費した費用になります。
②精神的損害を金額に見積もった損害賠償である慰謝料
この慰謝料は、金銭を請求することになります。
精神的な被害を金銭で解決するのは嫌だといっても、他に賠償を求める方法はないのです。
婚約不履行は、家事事件ですから、訴訟の前にまず調停を申し立てます。
調停を申し立てる際に、申立書の「申立の実情」には次のことを記載します。
①申立人と相手方の社会的身分、収入など
②婚約をした事実、日時などの事情
③婚約中の状況、肉体関係、子供の堕胎など慰謝料に影響しそうなこと
④婚約破棄、あるいは不履行の具体的事実
⑤相手の責任で起こったこと
⑥婚約不履行により生じた物的損害の経緯とその金額
⑦婚約不履行により受けた精神的苦痛の種類と実情、その金額
⑧損害賠償と慰謝料として金**円とこれに対する年5%の割合による遅延損害金と請求する旨
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離婚請求の訴訟とは・・・
裁判所に離婚を請求できる理由には次の5つが法律で定められています。
①配偶者に不貞な行為があったとき
②配偶者から悪意で遺棄されたとき
③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込がないとき
⑤その他の婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
裁判所は①~④までの理由があるときでも、一切の事情を考慮して、婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができます。
裁判所の判断によって、⑤の理由でも離婚させることできます。
これは裁判所の判断に重きをおいている制度になっています。
また、同一夫婦の離婚事件については、請求の併合又は反訴の提起をすることができます。
事件で負けた原告は、併合又は変更して主張した事実に基づいて、別の訴えを起こすことができませんし、被告も反訴事由として主張した事実によって別の訴えを起こすことはできません。
離婚に関して、これに附随する養子縁組の解消を請求したり、養子縁組の離縁に付帯して離婚の請求を併合することもできます。
離婚の訴えに、離婚の原因事実から生じた損害賠償の請求も併合して行うことができます。
子の監護や財産分与の処分も併合して請求することもできます。
離婚は訴訟事項ですが、調停前置主義により、まずは調停を申し立てます。
この離婚調停の申立でも、離婚の申立と一緒に財産分与や慰謝料の請求もできます。
また、離婚だけを申立て、その後に財産分与、慰謝料の調停あるいは審判の申立てをすることができます。
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遺産分割の訴訟とは・・・
遺産の分割は家事審判法の乙類審判事項です。
審判には調停前置主義はありませんから、初めから審判を申し立てることもできますし、調停を申し立ててもよいとされています。
調停がまとまらなければ、審判手続きに移行します。
自分の相続権が、既に第三者や他の相続人によって侵害されているときは、相続回復請求訴訟を起こす必要があります。
相続回復請求権は、侵害されたことを知ったときから5年、相続開始のときから20年の間に行使しないと時効消滅してしまいます。
遺言や生前贈与などで相続分の変更や減少があり、遺留分が侵害されている場合には、遺留分減殺請求をすることができます。
遺留分減殺請求権は、遺留分侵害のあったことを知ったときから1年、あるいは相続開始のときから10年の間に行使しなければなりません。
ただし、遺留分減殺請求は具体的な遺産に言及する必要はなく、ただ遺留分減殺請求をする旨だけを内容証明郵便で通告すればよいことになっています。
調停申立てに際しては、管轄を明らかにするために、当事者双方の住民票を提出しなければなりません。
そのほか、被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本、除籍謄本等、相続人全員の戸籍謄本を家庭裁判所に提出する必要があります。
また、総遺産を調べて、目録を作る必要があります。
遺産はプラスの財産としての不動産、動産、有価証券、預金、現金などのほか、マイナスの財産として債務もあります。
不動産は登記簿謄本を取寄せて表示などを確認します。
調停申立人に資産が不明であれば、一応判明した遺産だけの目録を作成し、その他は不明として、家庭裁判所の調査を待ちます。
遺産の価額を明らかにするため、不動産の評価証明書が必要なこともあります。
資料が集まったら、調停申立書に所要事項を記入して、他の相続人全員を相手方として相手方の住所地の家庭裁判所に提出します。
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