離婚で妻の年金分割・・・

離婚で妻の年金分割・・・

離婚する場合は、婚姻期間中の夫の厚生年金の報酬比例部分つまり基礎年金を除く部分の保険料納付記録を離婚する妻が分割請求でき、受給年齢は夫の年金を分割して受け取ることができます。

分割割合は、離婚する当事者の合意又は裁判所が決めます。

協議離婚の際の合意か、家庭裁判所の離婚手続である調停、判決などで決めることになります。

分割を受ける離婚当事者は社会保険庁に保険料納付記録の分割の請求をすればよく、その後自分が受給年齢に達した時には自分の年金と合わせて受け取ることができます。

離婚した元夫が死亡しても、分割請求した年金は影響なく、元妻は自分が死亡するまで受け取ることができます。

分割割合は、最大限5割を上限とします。

離婚する当事者の合意があっても5割以上の分割はできない趣旨です。

分割の対象とされるのは、婚姻期間中の保険料納付記録であり、婚姻前のものは分割対象になりません。

婚姻期間中に妻も働いて厚生年金に加入していた場合には、婚姻期間中のそれぞれの保険料納付記録を足して2で割った額を上限として、差額について分割請求します。

保険料納付記録の分割請求は、離婚後2年以内に社会保険庁に手続が必要で、その後は分割請求ができなくなります。

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財産分与の履行・・・

財産分与の申立ては、当事者間に協議が調わないとき、または協議をすることができないときに、家庭裁判所に対して、協議に代わる処分を請求することができると規定されています。

(財産分与)
民法第768条 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から2年を経過したときは、この限りでない。
3 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

ですので、当事者間に財産分与の協議が成立していれば、審判の申立てはできないとされます。

その協議の内容を実行しないときは、それを実現するのは契約履行として、一般の民事訴訟、強制執行の手続によります。

財産分与の協議を行い、それを念書にしたような場合の判例があります。

念書の内容を無視していつまでも売却しないばかりか、調停では、念書の約束をはるかに下回る金銭の提示しかしない不誠実な夫に対し、妻の申立てを認め、念書の内容や申立ての金額に拘束されないで、衡平かつ適正な解決をするのが相当であるとして、あらためて念書内容を上回る財産分与の審判をした事例があります。

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男女間の慰謝料請求・・・

男女の間で慰謝料が請求できるのは、次のような場合です。

①性的自由を侵害された人がその相手に対してなす慰謝料の請求

これを貞操蹂躙の慰謝料請求といいます。

②婚約者に正当な理由なく婚約を破棄された場合の慰謝料の請求

これを婚約破棄の慰謝料請求といいます。

③婚姻届はないが、世間では夫婦と認められるような生活をしている者が、正当な理由なく捨てられた場合の慰謝料の請求

これを内縁不当破棄といいます。

④離婚する者が、離婚について責任のある連れあいに対して行なう慰謝料の請求

⑤夫婦の一方と不貞をした相手に対し、夫又は妻が行なう場合の慰謝料の請求

慰謝料を請求する場合、まずは、任意で話し合いや、書簡や内容証明郵便などで請求し、それで話がつけばそれを書面にして、履行してもらいます。

しかし、話し合いにならない場合、家庭裁判所へ慰謝料についての調停を申し立てます。

調停で話がつけばそれを調停調書にしてもらい、履行してもらいます。

家庭裁判所の調停又は審判で定められた義務の履行については、権利者の申立てがあれば、裁判所で履行状況を調査した上、義務者に対して支払を勧告してくれます。

また、相当を認めれば裁判所から期限を定めて義務の履行、義務者に対して金銭を支払うようにとの命令を出してもらえます。

調停で話がまとまらなければ、訴訟を提起することになります。

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