信用調査とは・・・
◇信用調査とは
取引先に信用不安の兆候が見られるときは、信用調査をする必要があります。
この信用調査には、今から取引に入ろうとする場合と取引に入った後に信用状態が悪化した場合にする必要があります。
債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、下記の計算書類等の写しの閲覧の請求、その内容を記載した書面の謄本等の交付の請求をすることができます。
①各事業年度に係る計算書類および事業報告書ならびにこれらの附属書類
②臨時計算書類
◇信用不安
取引先の信用不安は下記の点などから判断します。
①営業利益は出ているか。
赤字の場合、改善方針が説明されているか。
②借入金の額が増えていないか。
借入金が年商の50%以上になっているとすれば、危険です。
借入金を5~7年で割り、これが期末利益より少なければ問題ない目安です。
③買掛金、未払金が増えていないか。
会社の支払い条件から適切な金額かどうか。
④支払手形が増えていないか。
融通手形の振出の可能性はないか。
⑤売上原価があがっていないか。
あがっていれば原因は何か。
⑥粉飾決算が疑われないか。
売掛金、在庫、貸付金の調査。
⑦本業に関連のない事業に多額に投資をしていないか。
⑧経営者の方針や支持が適切で社員が納得しているか。
⑨経営者が顧客や現場の状況を把握しているか。
顧客や製造・販売の現場に実際に出向き、実態を把握しているか。
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収益性分析とは・・・
◇資本利益率
収益性の分析とは、その会社が儲かっているかどうかを分析することです。
会社が儲かっているかどうかは、投下資本に対して、どれだけ利益が上がっているかで判断することができます。
これを資本投下利益率といいます。
資本利益率=利益/資本
分子の利益には経常利益を入れます。
経常利益は、営業活動と財務活動を合わせた成果で、固定資産の売却損益や税金を調整する前の利益です。
分母の投下資本には、総資本を入れます。
資本は貸借対照表の資産の合計を指します。
このような収益性の指標を、総資本経常利益率といいます。
企業が投下している資本に対して、年間の経常利益が何%であるかをみるものです。
高ければ高いほど収益性が優れているといえます。
総資本経常利益率=経常利益/総資本
◇ROE・ROA
ROE(rate of return on equity)とは、自己資本当期利益率(または株主資本利益率)をいいます。
ROE(自己資本当期利益率)=当期利益/自己資本
これは、資本金のほか内部留保も合わせて、自己資本は株主に帰属するという考え方で、株主資本に占める当期利益の割合をいいます。
ROA(rate of return asset)とは、総資本事業利益率をいいます。
ROA(総資本事業利益率)=事業利益/総資本
総資本は負債と資本の合計ですが、事業利益は損益計算書の営業利益に受取利息・配当金などの金融収益を加えた利益です。
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安全性分析とは・・・
安全性分析とは、企業の財政状態を分析し、経営の安定度や資金繰りの良否を判定するものです。
◇自己資本比率
自己資本比率=自己資本/(他人資本+自己資本)
自己資本が多ければ多いほど安定した経営ができます。
自己資本が多いことは最終的には支払い能力が高いことを意味し、自己資本比率が高いことは借金が少ないことを意味します。
経営が悪化すると、自己資本が減少し、他人資本が増えます。
50%以上なら良好で、20%未満は要注意です。
自己資本比率の悪化原因は、過小資本、内部留保不足、過大資本です。
過小資本は増資により対応し、内部留保は収益性の向上により改善できます。
過大資本は遊休設備の活性化が必要となります。
◇流動比率
流動比率=期末流動資産/期末流動負債×100%
流動比率は、1年以内に現金化する流動資産と、1年以内に支払義務のある流動負債とのバランスから、会社の支払い能力を見る比率です。
これは流動資産によって、どれだけ流動負債の支払いが可能かを示します。
170%以上あれば良好で、100%以下は要注意です。
流動比率がよいのに、資金繰りが苦しいときは、資産、負債の中身の検討や決済期間の長短を調べるとその原因がつかめます。
流動資産の中身が不良債権か否かは、売上回収期間を見てみます。
流動比率は、回収遅延、在庫増大、支払条件の悪化により低下するのでその改善が必要になります。
◇当座比率
当座比率=当座資産/流動負債×100%
当座資産とは、流動資産のうち現金預金のほか、販売をせずに短期間に現金化することのできる売掛金、受取手形、一時所有の有価証券などをいいます。
100%以上が望ましいとされます。
◇固定比率
固定比率=固定資産/自己資本×100%
長期的に拘束される固定資産が返済の必要のない自己資本の範囲内か、自己資本が固定資産にどれほど投下されているかを見る指標です。
100%以下は良好とされています。
◇固定長期適合率
固定長期適合率=固定資産/(自己資本+固定負債)×100%
固定長期適合率は、固定資産が自己資産でまかないきれない場合、長期借入金や社債などの返済期限の長いものやその他の固定負債でまかなわれていれば安全性は維持されているとの考えに基づくものです。
60%以下が健全とされています。
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成長性分析とは・・・
成長は売上高ではなく利益から判断します。
その場合の利益は経常利益です。
売上高から売上原価を差し引いた売上総利益から、販売費や一般管理費が控除されて営業利益が分かり、営業利益により管理体制の合理化、効率化の内容が判明します。
営業外損益として支払利息などの負担がカバーされて実質成長としての経常利益が算出されます。