祭祀財産承継者指定の調停申立書ひな形・・・
①申立ての趣旨
この申立ては、例えば、夫が亡くなり、その祭祀財産の承継者となった妻が復氏しようと、祭祀財産の承継について先妻の子と協議したところ、協議が調わないので、祭祀承継者の指定を求める場合の申立てです。
夫婦の一方が亡くなり、生存配偶者が婚姻時に姓を変えた者である場合、婚姻前の姓に戻ることができます。
(生存配偶者の復氏等)
民法第751条 夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。
2 第769条の規定は、前項及び第728条第2項の場合について準用する。
婚姻前の姓に戻るということは、夫の家系を去ることであり、夫の家系の祭祀財産を所有したままであると、支障をきたすことになります。
そこで、祭祀財産を承継者を定め、その者に引き渡す必要が出てきます。
②申立手続
・調停の場合
申立て権者は、生存配偶者、利害関係人です。
管轄裁判所は、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者の合意で定める家庭裁判所です。
申立手続費用は、収入印紙1200円、予納郵便切手400円程度です。
添付書類は、申立人と相手方の戸籍謄本、申立人と相手方の住民票、被相続人の戸籍謄本、改正原戸籍謄本、除籍謄本、祭祀財産の目録、墓地の登記簿謄本、管轄合意書です。
・審判の場合
申立て権者は、生存配偶者、利害関係人です。
管轄裁判所は、祭祀財産の所有者の住所地の家庭裁判所です。
申立手続費用は、収入印紙1200円、予納郵便切手2500円程度です。
添付書類は、申立人と相手方の戸籍謄本、申立人と相手方の住民票、被相続人の戸籍謄本、改正原戸籍謄本、除籍謄本、祭祀財産の目録、墓地の登記簿謄本、管轄合意書です。
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婚姻無効の調停申立書ひな形・・・
①申立ての趣旨
この申立ては、婚姻の意思もないのに、勝手に婚姻届を出されてしまったため、その婚姻無効の確認を求めるために行なう等の申立てです。
これは、特定調停の申立てといい、本来、身分関係の得喪変更に関わることなので、訴訟で確認すべきであるところ、夫婦、親子等の身分関係があり、事実関係に争いがないような場合には、一定の要件のもとで審判するとされているのです。
婚姻は、婚姻の意思があることと、届出がされたことにより成立します。
婚姻届は、市町村役場で受理されると形式上は一応婚姻が成立していることになるのです。
②申立手続
申立権者は、婚姻当事者と婚姻無効の確認の利益を有する親族その他の第三者です。
相手方は、申立人が婚姻当事者である場合は他方で、申立人が親族その他の第三者である場合には、生存している夫婦両名です。
一方が死亡している場合には生存配偶者のみです。
管轄裁判所は、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者の合意で定める家庭裁判所です。
申立手続費用は、収入印紙1200円、予納郵便切手1050円を当事者の人数分、80円切手6枚程度です。
添付書類は、夫婦の戸籍謄本、住民票、婚姻届の記載事項証明書、利害関係を証する戸籍謄本等です。
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外国人との婚姻無効の調停申立書ひな形・・・
①申立の趣旨
この申立は、例えば、日本人夫がタイ人妻と婚姻の届出を日本の方式で行なったが、両者には婚姻の実態とされる同居をしたことがなく、真実婚姻する意思がなかったということを理由に、その婚姻無効を請求する場合等の申立です。
夫婦の一方が外国人である場合の婚姻無効については、離婚に準ずると解されているため、法の適用に関する通則法24条により、各人の本国法によることになります。
婚姻の効力については、法の適用に関する通則法25条で「夫婦の本国法が同一なるときはその法律による。その法律がない場合で夫婦の常居所地法が同じときはその法律による」とされています。
(婚姻の成立及び方式)
法の適用に関する通則法第24条 婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。
2 婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による。
3 前項の規定にかかわらず、当事者の一方の本国法に適合する方式は、有効とする。ただし、日本において婚姻が挙行された場合において、当事者の一方が日本人であるときは、この限りでない。
(婚姻の効力)
法の適用に関する通則法第25条 婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による。
日本に居住している日本人夫からの申立については、日本で、日本の法律に基づいて処理できることになります。
②申立手続
申立権者は、婚姻当事者と婚姻無効の確認の利益を有する親族その他の第三者です。
相手方は、申立人が婚姻当事者である場合は他方で、申立人が親族その他の第三者である場合には、生存している夫婦両名です。
一方が死亡している場合には生存配偶者のみです。
管轄裁判所は、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者の合意で定める家庭裁判所です。
申立手続費用は、収入印紙1200円、予納郵便切手1050円を当事者の人数分、80円切手6枚程度です。
添付書類は、夫の戸籍謄本、妻の外国人登録済証明書、住民票、婚姻届の記載事項証明書、利害関係を証する戸籍謄本、妻の本国法による婚姻・離婚・婚姻無効の規定の抜粋とその訳文等です。
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