相続財産(通行地役権設定登記)・・・
共有者が共有物たる要役地のために通行地役権設定登記を請求することは何ら他の共有者の利益を害する行為ではなく、共有物についてのいわゆる保存行為に属するというべきであるから、各共有者が単独でこれをなすことができ、この理は要役地が分割前の相続財産に属する場合であっても変わるところではないとされます。
民法第252条
共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
スポンサードリンク
相続財産(内縁の不動産共有持分)・・・
約17年間被相続人と内縁関係にあった妻と被相続人が共有する不動産の所有権は内縁の妻に属するとして同人の被相続人の妻子に対する真正な登記名義の回復請求を認容し、被相続人の妻子の内縁の妻に対する被相続人の遺骨、位牌及び勲章の返還請求を排斥した事例があります。
内縁の夫婦が共有する不動産を居住又は共同事業のため共同で使用してきたときは、特段の事情のない限り、両者の間において、その一方が死亡した後は他方が不動産を単独で使用する旨の合意が成立していたものと推認されます。
特段の事情の有無の審理を尽くさないで、内縁の夫の相続人の内縁の妻に対する不動産賃料請求を認めた原判決は破棄されました。
スポンサードリンク
相続財産(内縁の居住権)・・・
相続人である兄弟姉妹(原告)による被相続人の内縁配偶者(被告)に対する家屋明渡請求を被相続人と内縁配偶者のこれまでの関与度及び被告自身の必要性等を勘案すれば、本件建物における従来どおりの被告の居住の利益は十分保護されるべきであるのに対して原告の本件建物使用の必要性はきわめて乏しいから、単に原告の相続を原因とする所有権取得に基づく本件建物の明渡請求は、信義に反し、権利の濫用にあたるとして、これを棄却した事例があります。
スポンサードリンク
相続財産(内縁の借家権)・・・
居住の用に供する建物の賃借人が相続人なくして死亡した場合、内縁の配偶者の賃借居住権の承継などについては、借地借家法36条が適用されます。
借地借家法第36条
1 居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。ただし、相続人なしに死亡したことを知った後1月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
2 前項本文の場合においては、建物の賃貸借関係に基づき生じた債権又は債務は、同項の規定により建物の賃借人の権利義務を承継した者に帰属する。
妻子などが相続した賃借権でも内縁の夫婦として居住していた賃借建物については、内縁の妻は夫の死亡後賃借権を援用することができるとした事例があります。
スポンサードリンク