相続による紛争とは・・・

相続による紛争とは・・・

相続に関する紛争についても、家庭裁判所に調停を求める事になります。

調停までいかない場合でも、各家庭裁判所では家事相談を行っていますので、それを利用する事もできます。

家事相談は、家庭裁判所の書記官などが家庭の紛争事件について相談にのってくれるもので、通常の裁判所にはない制度です。

調停がまとまらないような場合には、訴訟を起こすのも止むを得なくなります。

遺産の分割をめぐる紛争の場合は、遺産分割の審判を申し立てる事になります。

審判は非公開で裁判官が事実を取り調べ、最終的には裁判官の自由裁量によって、妥当な分割方法を命じたりするものです。

自分の相続権が第三者や他の相続人により侵害されている場合に起こす相続回復請求訴訟や、自己の遺留分が侵害されている場合に提起する遺留分減殺請求訴訟などあります。

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子供の認知請求とは・・・

家族に関する紛争としては、認知などの親子関係をめぐる紛争があります。

認知に関してですが、婚姻関係にない男性との間でできた子供について、母親である女性が相手の男性に対して子供の認知を求める事ができます。

女性が男性に対して、その子供を認知させるには、民法の認知の訴えという制度を利用します。

これは、父の意思とは関係なしに、裁判により父子関係が証明されれば、認知を認めるというものです。

認知の訴えを起こすことができる者は、原則として子供ですが、子の親権者である母親もその法定代理人として訴えを提起することができます。

相手方は父となる男性ですが、仮にその人が死亡していても訴えは起こせます。

ただし、死後3年を経過すると訴える事ができなくなります。

また、この場合、訴訟の相手方となるのは検察官です。

裁判によって認知が認められた場合には、父親と子供のとの間に、出生の時に遡って、法律上の親子関係が発生することになります。

子供は父親に対して、自分を扶養するように請求できることになり、扶養料を求める事が出来ます。

父の財産も相続することができますが、その相続分は、法律上の配偶者から生まれた子供の2分の1となります。

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婚約破棄の慰謝料請求とは・・・

婚約不履行で問題になる損害賠償には、2種類あります。

1つは、結納の費用や婚約披露宴の費用、結婚準備のために買い込んだ衣装・衣類や調度品などの財産的な損害の賠償です。

もう1つは、婚約を不当に破棄されて傷ついた相手の慰謝料である精神的な損害の賠償です。

婚約の不当破棄を理由に損害賠償を請求する場合、家庭裁判所の調停を利用する事になります。

婚約不履行による損害賠償や慰謝料請求事件も通常の民事事件として、いきなり訴訟を起こすことも可能です。

まずは家庭裁判所に調停を申し立てて、調停が不調になった後で、訴訟に持ち込むことが多いようです。

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知的財産権の紛争とは・・・

産業・学術・文芸・美術といった分野における知的活動から生ずる全ての権利が、知的財産権になりえます。

特許権・実用新案権・意匠権などの知的創作物、商標権・商業権などの営業標識、そして著作権などがあげられます。

これらの知的財産権は、物自体とは別の独自の財産的価値を有しており、それ自体が権利として保護の対象になります。

知的財産権侵害があった場合に、権利者がとりうる手段として民事上のものと刑事上のものがあります。

民事上の救済手段として、差止め請求、損害賠償請求、不当利得返還請求、信用回復措置の請求があります。

差止め請求とは、知的財産権を侵害している者や、侵害の恐れのある行為をしている者に対し、それらの行為をやめさせることです。

既に作られた製品の廃棄や、生産設備の除去などを求める事もできます。

この差止め請求は、相手方に知的財産権を侵害している事や侵害する恐れのある行為をしていることについて、故意・過失がない場合でも行うことができます。

権利侵害者に損害賠償を請求するには、故意・過失があることが必要です。

この場合は、民法上の不法行為になりますから、故意・過失の立証は、被害者側が行うことになります。

知的財産権の侵害があった場合は、差止め請求と損害賠償請求があわせて主張されるのが一般的ですが、さらに場合によっては、不当利得返還請求もできます。

不当利得返還請求とは、侵害者がその行為によって利益を得ている場合に、その返還を請求するものです。

この請求は、侵害者に故意・過失がない場合でも、不当に利益を得ている以上は行うことができます。

また、知的財産権の侵害は、それにより知的所有権を持つ者の信用も害するのが通常ですので、信用回復措置である謝罪広告などを求める請求も認められています。

刑事上の救済手段として、例えば、工業所有権を故意に侵害した者には犯罪が成立し、最高で5年以下の懲役か500万円以下の罰金が科せられます。

実用新案権又は意匠権を侵害した者は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられます。

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