債務者の心理とは・・・

債務者の心理とは・・・

借りたお金は返さなければなりません。

品物を買った代金は支払わなければなりません。

そして、普通の人であればそれぐらいの道徳はあります。

しかし、お金はそのような道徳を変えることができるみたいです。

お金に困ってくると、債務者は積極的に支払をすることをしなくなります。

債権者が何一つ請求しなければ、支払って来ないような場合も出てきます。

ですので、まずは債権者は請求する。

これ、本当に大切なことです。

請求をしない支払滞納は、債権者の原因なのです。

また、「請求書を送ってくれ」と債務者が言ってきたのに送らなかったり、約束の日に行かなかったりすると、債務者は途端にそれを持ち出して来ます。

支払をしないことの正当事由を備えさせることになります。

これが債務者の心理なのです。

お金を返さないことの理由付けをするんです。

債権者が回収を図るために欠かせないことは、債務者の支払意思を起こさせることなんです。

債務者の心理としては支払うべき理由は理解しています。

そして、支払う気持ちはあるんです。

ですので、それをうまく利用して、債務者にお金が無くても支払意思を持続させることが大切です。

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債務者の危険信号とは・・・

債務者の危険信号に気づくには、債務者を日ごろから観察しておくことが大切です。

一番の兆候は支払が遅れることです。

1日でも支払が遅れた場合、1日ぐらいと思わずに、その理由を聞き出し、その以後気をつけて観察することが必要になってきます。

会社などの場合には、取引先の景気なども考慮に入れる必要があります。

噂なども重要な情報です。

その噂を鵜呑みにする必要はありませんが、情報として利用するべきです。

そして、支払が遅れた途端に、保証人をつけてもらうよう交渉したり、担保をつけてもらうよう交渉するべきです。

担保を付けることが最も債権の保全になります。

少し弱いですが、公正証書を作ることも保全になります。

強制執行できることと、債務者の教育になるからです。

ただ、あまり強引なことをしてしまうと、足をすくわれるので要注意です。

このような判例もあります。

A社は、取引先のB社が危機状態にあり、納入商品を乱売される恐れもあったので、B社から商品を引揚げました。

ただ、引揚げ方が、夜間、B社の関係者の立会いも無く、無断で倉庫に入り、引揚げを強行してしまったのです。

B社の債権者は、A社を相手取って、A社の商品引揚げのために、B社は倒産し、債権の回収不能を招いたとして、不法行為による損害賠償を請求しました。

東京高裁は、方法が合法手段ではなく、法規違反ないし公序良俗違反の不法な手段でなされたとして、不法行為を認めA社の損害賠償を認めました。

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商取引と金銭貸借の債権回収とは・・・

債権回収の対象となる債権のうち、一番多いのは商取引による売掛金の回収です。

そして、商取引には様々な形態があります。

どのような形態でも債権回収が困難になるケースは、売買契約書、納品書、領収書などの取引に関する書類が管理されていない場合です。

継続的な取引の場合には、契約書の作成は必須です。

また、債権の裏付けとなる物的、人的担保が確保されていない場合も債権回収は困難になります。

継続的な取引の場合は、根抵当権や根保証は取っておくべきです。

十分な担保があれば、担保権を実行すれば債権回収できる可能性は高くなります。

また、取引を裏付ける書類が完備していれば、訴訟を起こすことも容易です。

訴訟に関して言えば、手形を取得しておけば迅速解決が可能な手形訴訟を起こすこともできます。

金銭貸借の場合には、金銭消費貸借契約書を作成してお金を貸すというのが普通です。

その際に担保や保証人を取る要することが大切です。

金銭貸借の回収方法としては、債務者に対する買掛金などの債務があり、履行期限が来ていれば、相殺することができます。

債務者の不動産に抵当権が付いていたり、債務者の機械などに譲渡担保が付いていれば、これらの担保を実行できます。

担保は無いが、債務者が貸金の事実を争わない場合は、支払督促を申し立てます。

手形を担保にとっている場合には、手形訴訟を起こします。

金銭消費貸借契約書を証拠として、訴訟を起こすのは最後の手段になります。

利息の話になりますが、民法が改正されたことにより、法定利率は一律3%になりました。

従来の法定利率は、年5%(民事法定利率)・年6%(商事法定利率)でした。

これは市場金利と著しく乖離しており経済の実情に合わないという批判がありました。

改正民法では、民事法定利率を、施行当初は年3%とし、その後は3年ごとに市場金利に連動して利率の見直しを行う変動制の仕組みに改正しました。

それとともに、商事法定利率を廃止して民事法定利率に一本化しました。

民法404条(法定利率)

1、利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率による。

2、法定利率は、年3パーセントとする。

3、前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、3年を一期とし、一期ごとに、次項の規定により変動するものとする。

4、各期における法定利率は、この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項に於いて「直近変動期」という。)における基準割合と当期における基準割合との差に相当する割合(その割合に1パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を直近変動期における法定利率に加算し、又は減算した割合とする。

5、前項に規定する「基準割合」とは、法務省令で定めるところにより、各期の初日の属する年の6年前の年の1月から前々年の12月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が1年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を60で除して計算した割合(その割合に0.1パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)として法務大臣が告示するものをいう。

民法405条(利息の元本への組入れ)

利息の支払が1年分以上延滞した場合において、債権者が催告をしても、債務者がその利息を支払わないときは、債権者は、これを元本に組み入れることができる。

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