協議離婚の要件・・・

協議離婚の要件・・・

離婚は、次の場合はあります。

①協議上の離婚

②裁判上の離婚

協議上に離婚は、当事者である夫婦の合意によって成立し、裁判上の離婚は、合意によることができないようなとき、裁判の手続を経て結婚を解消することになります。

民法763条は「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる」と定めています。

(協議上の離婚)
民法第763条 夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。

協議とは話し合いのことをいい、夫婦が話し合って合意に達したときは、離婚することができ、このことを協議上の離婚といいます。

協議上の離婚は、夫婦の合意に基づいて、その届出をすることが成立の要件です。

夫婦の一方が離婚に同意しなければ、協議上の離婚は成立しません。

相手の同意が得られないのに離婚しようとするときは、裁判上の離婚することになります。

協議離婚は、夫婦の同意が成立要件とされますが、そのための特別の理由を必要としません。

当事者が結婚を法律的に解消することに同意して、その届出をすれば、離婚の効力を生じます。

夫婦に未成年の子がある場合に、未成年の子は、親権者や監護者を必要としますから、離婚する夫婦のどちらかが、親権者又は監護者として責任を負うのかを決めなければなりません。

また、未成年者の結婚は、父母の同意が必要ですが、結婚した未成年者は成年者とみなされますから、離婚については父母の同意を要しません。

夫婦の同意だけで離婚届を出すことができます。

また、被後見人は、本人が離婚の意味を知っていることを要件として、本人の意思で協議離婚をすることができます。

被後見人の思考能力が普通の人と変わりがないことを証明する医師の診断書が必要です。

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離婚の無効と取消・・・

結婚中の夫婦が、将来、一定の条件が成就した場合に離婚をする旨を定めることは無効ですから、一定の条件が成就しても、協議離婚は成立しません。

しかし、配偶者の一方に不貞の行為があるとか、又は虐待、暴行、遺棄その他を継続し難い事由があるときは、裁判上の離婚原因となりますので、これらの行為があったときは離婚する旨の約束をしたような場合には、協議上の離婚ができないとしても、裁判上の離婚原因となります。

(裁判上の離婚)
民法第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

夫婦が協議上の離婚をすることに合意したとしても、その届出をする以前であれば、夫も妻も合意を取消すことができます。

夫婦の一方が、離婚に合意したからといって、これを取消したときは、協議上の離婚は成立しません。

夫婦の一方が強制的に離婚届をすることはできません。

詐欺又は強迫による離婚も、無効又は取消の原因となります。

協議上の離婚は、夫婦の合意を要件として届出をすることですが、いったん離婚に合意したが、これを取消したような場合には、離婚届をしても、その合意はなかったものとして、その離婚は成立しません。

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離婚の届出・・・

協議上の離婚は、当事者がその届出をし、これが受理されたとき、その効力を生じます。

夫婦が離婚に合意し、別居したとしても、届出がないうちは、離婚したことになりません。

法律上は配偶関係が存在していることになります。

①離婚の届出は、市区町村長に対してします。

この離婚届が受理されたときから、離婚の効力を生じます。

(婚姻の規定の準用)
民法第764条 第738条、第739条及び第747条の規定は、協議上の離婚について準用する。

(婚姻の届出)
民法第739条 婚姻は、戸籍法(昭和22年法律第224号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。

②離婚届は、当事者である夫婦及び成年の証人2人以上が口頭又は書面でしなければなりません。

市区町村役場に備え付けてある届出用紙に、所定の事項を記載し、これに当事者及び証人が署名押印して提出します。

離婚届は、その形式が所定の要式にかなっているときは、市区町村長はその内容の審査をすることなく、これを受理することになります。

③離婚したときは、結婚に際して配偶者の氏を称した者は、原則として、結婚前の氏に戻ることになります。

しかし、結婚前の戸籍がすでに除斥されていて現在ではなくなっているような場合、又は本人の希望によって新戸籍を作りたいときは、新本籍地を自分で任意に定めて、離婚届にこれを記載することができます。

⑤離婚届を提出する場所は、離婚当時の夫又は妻の本籍地又は住所地の市区町村役場です。

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