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会社の事業目的を決める・・・
定款には、事業目的を記載しなければならず、何をする会社なのかという会社の事業目的を明瞭かつ具体的な表現で記載する必要があります。
事業目的は、設立後すぐに行なう事業だけではなく、将来行なう予定の事業についても記載しておきます。
後で目的を追加すると定款を変更する必要が出てきます。
しかし、事業目的が必要以上に多すぎるのは現実性に欠け、取引相手などに不審がられてしまいますから注意が必要です。
「商業」「工業」としても登記はできますが、あまりに範囲が広く、何をやっている会社かわからなくなります。
逆に詳細に書きすぎると範囲が狭くなってしまい、社会の変化、産業や技術の進歩に対応できなくなってしまいます。
「**の製造販売」であれば、「各種**等の製造販売」というように「各種」や「等」を入れると事業の範囲が広がります。
また、事業目的欄の最後の行に「前各号に附帯関連する一切の事業」と入れておけば、さらに事業の範囲が広がります。
許認可や監督官庁への届出が必要な事業を行う場合は、その事業名も目的に入れておきます。
<事業目的を決める上での注意>
①会社の事業を明瞭かつ具体的な表現で記載する。
②将来行なう予定の事業も記載する。
③公序良俗に反する、法に触れるような事業は記載できない。
④技術革新や社会の変化を見据えて「各種」「等」の文字を活用し、範囲を広げる。
⑤事業目的の最後に「前各号に附帯関連する一切の事業」と入れる。
⑥許認可申請を考慮する。
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許認可が必要な事業がある・・・
原則として、事業は自由に行なうことができますが、行政庁の許可を得なければできない事業もあります、これを許認可業種といいます。
許認可業種は、国民の生活の安全のために、一定の水準を保つ必要のある事業に対して定められています。
許認可制度は、許可、登録、届出、認可、免許の5つに分類されます。
①許可
通常は禁じられているが許可要件を満たした者だけに行政庁がその事業を行なうことを許可します。
②登録
決められた機関に届け出て事業内容を登録することです。
③届出
届出書を提出するだけで、その事業を行なうことができます。
④認可
第三者が行う行為について行政庁が同意を与える法律行為で、許可に含まれることもあります。
⑤免許
一般の人には禁じられているが特定の人に権利や地位を与えることです。
許認可が必要かどうかは、インターネットで検索したり、書店で許認可関係書籍を探したり、既に事業を行なっている人にアドバイスを受けるなどの方法があります。
所管する監督官庁がわかったら該当する役所のホームページにアクセスし、許認可申請に関する手引書の内容を確かめます。
確認内容は、許認可要件(定款の目的欄記載、事務所の広さ、純資産、取締役の事業経験年数、技術者の有無等)、申請書類の内容、申請書類の書き方、許認可申請の手数料などです。
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本店所在地の定款への記載方法・・・
本店所在地とは事業活動の本拠地ですから、所在地の立地条件、賃貸であれば賃料、周囲の環境などを考えて決める必要があります。
例えば、有料職業紹介事業などの許認可申請を予定しているような場合、風俗営業地域内に本店があると許可が受けられない場合があります。
また、事務所の面積も20㎡以上なければ認められません。
本店所在地の定款への記載方法は2つあります。
1つは「東京都杉並区」「神奈川県厚木市」などの最小行政区画のみを記載する方法です。
もう1つは、「東京都杉並区荻窪*丁目*番*号」と番地まで記載する方法です。
どちらを選んでもよいのですが、今後、本店を同じ行政区内で移転する可能性がある場合には、最小行政区の表記が便利で、定款を変更する必要はありません。
建物の名称や階数まで定款に記載している場合がありますが、建物の名称が変更になったり、階数を引っ越したような場合に定款の変更が必要になります。
本店移転には登録免許税が必要になり、法務局の同一管轄内であれば3万円、管轄外への移転は旧所在地に3万円、新所在地に3万円の計6万円がかかります。
例えば、杉並区の荻窪から阿佐ヶ谷へ移転する場合には登録免許税が3万円かかり、杉並区から渋谷区へ移転する場合には登録免許税が6万円かかるのです。
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取締役会の有無による違い・・・
役員の人数は、取締役会非設置会社と取締役会設置会社で異なります。
①取締役会非設置会社
取締役は1名でだけでもよく、この場合の役員選任は定款で行なうことが多く、役員が1名の会社は発起人が役員になるのが一般的です。
取締役が複数いる場合は代表取締役を決めます、もちろん、取締役1名でも代表取締役と称することができます。
定款以外で行なう場合は就任承諾書が必要です。
監査役をおくかどうかは任意です。
取締役会非設置会社では、役員の変更、商号や目的、本店所在地の変更、株式譲渡の承認などの重要事項は、株主総会で決定します。
②取締役会設置会社
取締役会を設ける取締役会設置会社では、取締役3名以上、代表取締役、監査役1名以上を選任し、それは定款などで選任することができます。
任期途中で代表取締役が退任した場合、直ちに取締役を株主総会で選任し、続く取締役会で取締役の互選で代表取締役を選任します。
この選任方法は、定款で定めておく必要があります。
会社法で会計参与という機関の設置が認められ、会計参与には公認会計士や税理士しか就任できません。
取締役会非設置会社 | 取締役会設置会社 | ||
取締役 | 1名以上 | 3名以上 | |
代表取締役 | 任意 | 1名以上選任 | |
監査役 | 任意 | 1名以上選任 | |
会計参与 | 任意 | 任意(会計参与を設置した場合、監査役を設置しなくてもよい) | |
選任方法 | 取締役 | 設立時は定款または発起人会 | |
設立後は株主総会 | |||
代表取締役 | 設立時は定款または発起人会 | 設立時は定款または設立時取締役会 | |
設立後は取締役の互選 | 設立後は取締役会 | ||
監査役 | 取締役と同じ | 設立後は株主総会 | |
会計参与 | 取締役と同じ | 設立後は株主総会 |
取締役会非設置会社の取締役になる人は、個人の実印と印鑑証明を登記申請時に添付します。
発起人となる人も全員必要で、公証役場で定款の認証に必要です。
取締役会設置会社の場合、代表取締役と発起人は印鑑証明が必要ですが、発起人でない人が取締役になる場合は不要です。
取締役会非設置会社 | 取締役会設置会社 | |
印鑑証明発行日 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
公証役場 | 発起人は全員各1枚 | 発起人は全員各1枚 |
法務局 | 取締役全員各1枚 | 代表取締役1枚 |
取締役1名の場合、公証役場で印鑑証明書の原本還付してもらえばそれを法務局に提出できるので1枚ですみます。 | 発起人1名でその人が代表取締役に就任すると、公証役場で原本還付して1枚ですみます。
発起人3名全員が取締役に就任し原本還付しない場合は、代表取締役のみ2枚となり、他の発起人は各1枚です。 |
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