死亡届の届出地・・・

死亡届の届出地・・・

死亡の届出は、届出地の一般原則により、死亡者の本籍地又は届出人の所在地であり、死亡地でもこれをすることができます。

戸籍法第25条
1.届出は、届出事件の本人の本籍地又は届出人の所在地でこれをしなければならない。
2.外国人に関する届出は、届出人の所在地でこれをしなければならない。

戸籍法第88条
1.死亡の届出は、死亡地でこれをすることができる。
2.死亡地が明らかでないときは死体が最初に発見された地で、汽車その他の交通機関の中で死亡があつたときは死体をその交通機関から降ろした地で、航海日誌を備えない船舶の中で死亡があつたときはその船舶が最初に入港した地で、死亡の届出をすることができる。

死亡地が明らかでないときは、死体が最初に発見された地で、汽車その他の交通機関の中で死亡があったときは死体をその交通機関から降ろした地で、航海日誌を備えない船舶の中で死亡があったときは、その船舶が最初に入港した地で届出をすることができます。

海上で難船死亡した場合には、遭難最寄の市町村長に届出をすることができます。

航海日誌を備える船舶の航海中に死亡があった場合には、戸籍法55条の規定に準じ、船長は、船舶が日本の港に着いたときは、遅滞なく、その航海日誌の謄本をその他の市町村長に送付し、又は外国の港に着いたときは、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその謄本を送付します。

戸籍法第55条

1.航海中に出生があつたときは、船長は、24時間以内に、第49条第2項に掲げる事項を航海日誌に記載して、署名し、印をおさなければならない。
2.前項の手続をした後に、船舶が日本の港に著いたときは、船長は、遅滞なく出生に関する航海日誌の謄本をその地の市町村長に送付しなければならない。
3.船舶が外国の港に著いたときは、船長は、遅滞なく出生に関する航海日誌の謄本をその国に駐在する日本の大使、公使又は領事に送付し、大使、公使又は領事は、遅滞なく外務大臣を経由してこれを本籍地の市町村長に送付しなければならない。

水難、火災その他の事変による死亡報告は、死亡地の市町村長にしなければなりません。

しかし、外国で死亡があった場合には、死亡者の本籍地の市町村長に報告をしなければなりません。

戸籍法第89条

水難、火災その他の事変によつて死亡した者がある場合には、その取調をした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。但し、外国又は法務省令で定める地域で死亡があつたときは、死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。

本籍地不明者の死亡報告は、死亡地の市町村長にしなければなりません。

戸籍法第89条

水難、火災その他の事変によつて死亡した者がある場合には、その取調をした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。但し、外国又は法務省令で定める地域で死亡があつたときは、死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。

死刑の執行又は刑事施設に収容中の死亡者の死亡報告は、当該刑事施設所在地の市町村長にしなければなりません。

戸籍法第90条

1.死刑の執行があつたときは、刑事施設の長は、遅滞なく刑事施設の所在地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
2.前項の規定は、刑事施設に収容中死亡した者の引取人がない場合にこれを準用する。この場合には、報告書に診断書又は検案書を添付しなければならない。

届出書は、死亡者の本籍地で届出をするときは1通、本籍地外で届出をするときは2通提出しなければなりません。

届出は、休日や夜間でも受理されます。

戸籍法第36条

1.2箇所以上の市役所又は町村役場で戸籍の記載をすべき場合には、市役所又は町村役場の数と同数の届書を提出しなければならない。
2.本籍地外で届出をするときは、前項の規定によるものの外、なお、一通の届書を提出しなければならない。
3.前2項の場合に、相当と認めるときは、市町村長は、届書の謄本を作り、これを届書に代えることができる。

死亡届に関連した行政措置として、相続税の徴収事務の便宜のため、死亡又は失踪宣告などの届出や通知を受理した市町村長は、死亡者の本籍地の所轄税務署にその旨を通知することになっています。

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死体火埋葬許可証交付申請書・・・

死体火埋葬許可証交付申請書は、死亡届とともに市町村長に提出するものです。

火葬又は埋葬を行おうとする者は、市町村長の許可を受けなければなりません。

この許可は、死亡届を受理した市町村長が行います。

市町村長が火葬又は埋葬の許可を与えるときは、火葬許可証又は埋葬許可証を交付しなければなりません。

火葬又は埋葬は、他の法令に別段の定めがあるものを除くほかは、死亡後24時間を経過した後でないと行うことができません。

ただし、妊娠7ヶ月に満たない死産のときは、この限りではありません。

火葬場の管理者は、火葬許可証を受理した後でなければ、火葬をおこなってはいけません。

火葬場の管理者が火葬を行ったときは、火葬許可証に、火葬を行った日時を記入し、署名・押印して、これを火葬を求めた者に返さなければなりません。

墓地の管理者は、火葬許可証又は埋葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはなりません。

また、納骨堂の管理者は、火葬許可証を受理した後でなければ、焼骨を収蔵してはなりません。

墓地又は納骨堂の管理者は、火葬許可証又は埋葬許可証を受理した日から、5年間これを保存しなければなりません。

火葬の許可、24時間の火葬禁止、管理者の義務に違反した者は、4000円以上8000円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処せられることになります。

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失踪宣告とは・・・

不在者の生死が7年間分明でないとき、家庭裁判所は、利害関係人の請求により失踪宣告をすることができます。

民法第30条

1. 不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
2. 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。

Aは戸籍上申立人の妹であるが、申立人の父が友人から頼まれて、その友人が芸者に生ませた子をAとして入籍させ、申立人の父はAを育てたこともなく、Aがどこで生まれてどこにいるかも知らなかったこと、家庭裁判所の調査結果でもAがどこに居住しているかも不明であり、他にAの消息を得ることができない場合、失踪宣告の対象たる不在者とは、従来の住所又は居所を去って帰ってくる見込みのない者をいうのであるから、従来の住所・居所自体が不明のAは、この不在者の概念に含まれないと解して失踪宣告の申立を却下した事例があります。

このような場合、失踪宣告手続で除籍する例ではなく、虚欺出生届を理由として戸籍訂正手続により戸籍を消除することになります。

戸籍法第113条

戸籍の記載が法律上許されないものであること又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる。

申立人は実子Aに対する失踪宣告申立をしたところ、裁判所は審理の結果、Aは昭和**年**月**日東京都**区**病院で死亡したと認め得るとして、申立を却下した場合、戸籍法86条3項により審判書謄本を資料としてAの死亡届をすることができます。

戸籍法第86条

1. 死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
2. 届書には、次の事項を記載し、診断書又は検案書を添付しなければならない。
一 死亡の年月日時分及び場所
二 その他法務省令で定める事項
3. やむを得ない事由によつて診断書又は検案書を得ることができないときは、死亡の事実を証すべき書面を以てこれに代えることができる。この場合には、届書に診断書又は検案書を得ることができない事由を記載しなければならない。

死亡日時が分明でない場合における戸籍実務の取扱は、死亡届の記載が「昭和47年9月上旬」とある場合、戸籍には「昭和47年9月1日から10日の間」と記載されます。

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失踪宣告の申立手続・・・

民法30条1項に基づく失踪宣告の申立は、甲類審判事項です。

民法第30条

1. 不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
2. 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。

①申立権者

利害関係人です。

利害関係人とは、法律上の利害関係を有する者をいい、不在者の配偶者、父母、相続人、受遺者、保険金受取人などをいいます。

不在者所有財産の賃借人は利害関係人に含まれません。

不在者の子に対して親子関係確認の訴えを提起しようとする者は、事実上の利害関係を有するにすぎないとされます。

また、被相続人名義の土地を県が買収して農業用水路を設置する必要があるとしても、県には所在不明の相続人に対し失踪宣告の申立をなすにつき法律上の利害関係があるとはいえないとしています。

未成年者が親権者の失踪宣告の申立をするには、裁判所に特別代理人の選任を求め、その代理人によってその申立をすべきであるとされています。

②管轄

不在者の住所地の家庭裁判所です。

不在者の住所が日本にないとき又は日本における住所が不明のときは、不在者の居所地の家庭裁判所です。

不在者の居所がないとき又はその居所が不明のときは、不在者の最後の住所地の家庭裁判所です。

不在者の日本における最後の住所がないとき又は住所が不明のときは、財産の所在地の家庭裁判所又は東京都千代田区を管轄する東京家庭裁判所です。

④添付書類

申立人・不在者の戸籍謄本。

失踪を証明する資料(戸籍の附票、捜索をしたことの証明、不在者の手紙等)。

申立人の利害関係を証明する資料。

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