婚約破棄と肉体関係と婚約の強制・・・

婚約破棄と肉体関係と婚約の強制・・・

太郎さんと花子さんは、半年間、交際し、婚約をしました。

太郎さんは、婚約したことを理由に、肉体関係を迫ってきたので、花子さんは婚約したのだからと身体を許してしまいました。

しかし、太郎さんの態度が変化し、連絡をしても会わなくなりました。

このような場合、婚約を解消し、慰謝料の請求ができるかが問題となります。

この場合、考えられるのは、貞操侵害や婚約不履行を理由に、慰謝料の請求です。

太郎さんが、初めから結婚の意思がなく、花子さんの貞操を蹂躙したときは、貞操侵害になります。

ただし、婚約したとはいえ、お互いに納得して情交した場合には、貞操侵害とはなりません。

太郎さんが婚約後、婚約を履行しないことに正当な理由がない場合には、慰謝料の請求ができます。

また、婚約の履行を裁判上強制できるかどうかについては、できません。

婚約の履行を強制するということは、結婚を強制することになります。

結婚は両性の合意に基づいて行なわれます。

合意は、自由意思ですから、裁判上でも強制するできないのです。

スポンサードリンク

妻子もち男性との婚約・・・

妻子持ちの男性と婚約をした場合、婚約の解消ができるかについて、婚約の解消はできます。

婚約の解消には、それなりの正当な理由が必要です。

相手方男性が、妻子がいるのを隠して、独身だと偽って婚約した場合、そのような婚約は公序良俗の原則に反して無効です。

(公序良俗)
民法第90条 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

婚約の解消の正当な理由になります。

知らずに婚約したのであれば、この男性に、精神的・物質的に対して、損害賠償や慰謝料の請求をすることができます。

また、男性が、「必ず妻と別れて、君と結婚する」などという場合の婚約は、重婚的婚約といいます。

このような重婚的婚約について、裁判所は、良俗違反として無効としています。

また、裁判所は、妻がいることを知った上での婚約は無効であるが、男性が妻と事実上離婚していれば有効とするようになりました。

事実上の離婚とは、実際に離婚届を出していなくとも、事実上離婚しているような状態をいいます。

スポンサードリンク

内縁と同棲の一方的不当破棄・・・

花子さんと太郎さんは、大学生で、お互いに付き合いが長く、一緒に住むようになりました。

しかし、太郎さんが、突然、性格があわないので別れようと言い出しました。

花子さんは、一緒に住んでいるので、内縁関係の一方的不当破棄にあたるといい、慰謝料を払ってくれと言い出しました。

このように、内縁なのか、同棲なのかが問題になることがあります。

この場合、結婚の意思があるかどうかで区別されます。

結婚のことは考えていない、結婚の意思がない場合には、同棲です。

内縁関係には、婚約が必要になります。

お互いに結婚し、夫婦となることに合意があり、その上で夫婦の生活をする必要があるのです。

ただ、事情があって婚姻届を出していないだけの状態なのです。

同棲は、お互いに好きになり、一緒に暮らしている状態で、将来結婚するかもしれないし、しないかもしれない不安定な状態なのです。

ですので、内縁であれば、一方的な不当破棄の場合は、損害賠償の請求ができますが、単なる同棲の場合には、損害賠償の請求はできません。

スポンサードリンク