再婚後200日以内離婚後300日後の父親・・・

再婚後200日以内離婚後300日後の父親・・・

妻は、離婚後すぐ今の夫と内縁関係に入り、6ヵ月後に正式に婚姻届を出しました。

子供が生まれたのですが、再婚届出後200日以内、離婚後10ヶ月足らずです。

夫は自分の子と信じ、出生届を出してくれましたが、将来のために前夫の子でないことをはっきりさせたいのですが?

再婚して200日後、離婚してから300日後に生まれた子は、後夫の子として推定されます。

(嫡出の推定)
民法第772条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2  婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

再婚後200日以内でも、離婚後300日後であれば、先夫の子とは推定されません。

問題は、再婚後200日以内、離婚後300日以内の場合です。

この場合には、継続的な別居生活をしていたというような特別の事情がない限り、先夫の子として嫡出推定を受けます。

法律上は、このように規定されていますが、生物学上、本当に血がつながっているかどうかは、医学的な鑑定をしてもらうしかありません。

ただ、この離婚後300日問題は改正される予定で、予定案は次の通りです。(2024年夏までに施行予定)

(嫡出の推定)
第 772 条 妻が婚姻中に懐胎した子は,当該婚姻における夫の子と推定する。

女が婚姻前に懐胎した子であって,婚姻が成立した後に生まれたものも,同様とする。

2、前項の場合において,婚姻の成立の日から200 日以内に生まれた子は,婚姻前に懐胎したものと推定し,婚姻の成立の日から 200 日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から 300 日以内に生まれた子は,婚姻中に懐胎したものと推定する。

3、第1項の場合において,女が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に二以上の婚姻をしていたときは,その子は,その出生の直近の婚姻における夫の子と推定する。

4、前3項の規定により父が定められた子について,第 774 条の規定によりその父の嫡出であることが否認された場合における前項の規定の適用については,同項中 「直近の婚姻」とあるのは,「直近の婚姻(第 774 条の規定により子がその嫡出であることが否認された夫との間の婚姻を除く。)」とする。

民法改正案では、婚姻日から200日以内に生まれた子であっても、婚姻後に生まれた子であれば、その婚姻における夫の子と推定される規定への見直しが予定されています。

また、この規定を根拠に嫡出推定が前の夫と新たな夫の双方に及びうる場合には、新たな夫のみに嫡出推定が及ぶ規定への見直しが予定されています。

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認知の戸籍の記載・・・

愛人との間に子供が1人おり、この子を内密に認知したいのですが、できるのでしょうか?

正式な婚姻によらない男女の子を、「嫡出でない子」又は「非嫡出子」といいます。

非嫡出子と父親との法律上の親子関係は、認知により生じます。

父が自ら非嫡出子を認知することは、いつでもでき、市区町村役場の戸籍係に認知届を提出するだけです。

非嫡出子は、父によって認知されても、父の戸籍に入るのではなく、母の姓を称し、母の戸籍に記載されます。

(子の氏)
民法第790条 嫡出である子は、父母の氏を称する。ただし、子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏を称する。
2 嫡出でない子は、母の氏を称する。

認知がなされると、父と子の戸籍の身分事項欄に認知した旨が記載されますから、いずれは知られてしまいます。

戸籍ひな形

もし、内密に認知しておくなら、遺言によるしかありません。

(認知の方式)
民法第781条 認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってする。
2 認知は、遺言によっても、することができる。

遺言で認知をした場合、遺言者が死亡したときに、認知の効力が生じます。

(遺言の効力の発生時期)
民法第985条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

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法律上の親族の規定・・・

親類、親戚、身内などの言葉を、民法では、親族といいます。

しかし、親族は、必ずしもつながりのある者を指しているわけではありません。

親族のことを親等であらわすことがあり、親等とは、親疎を表す等級のことをいいます。

この等級の決め方は、自分を中心として決めます。

自分と親は、一親等です。

自分と祖父母や孫は、二親等です。

自分と兄弟姉妹も、二親等です。

自分といとこは四親等です。

親等表

民法では、六親等内の血族と配偶者と三親等内の姻族を親族であると定めています。

血族とは、血のつながっている者で、又はこれと同視される者をいい、前者を自然血族、後者を法定血族といいます。

自然血族には、親子、兄弟姉妹などがおります。

法定血族は、養親子のことです。

血族は、六親等内の者に限ります。

姻族とは、配偶者の一方と他方の血族のことで、三親等内の姻族までが親族です。

尊属とは、自分より目上に当たる人のことで、父母、祖父母、叔父伯母などがこれに当たります。

卑属とは、自分より目下に当たる人のことで、孫や甥姪がこれに当たります。

自然血族関係は、出生により発生します。

ただし、嫡出でない子が父との血族関係を発生させるためには、認知が必要です。

自然血族関係は、死亡によって消滅します。

法定血族関係は、養子縁組によって発生し、その消滅は、死亡と離縁によります。

配偶者及び姻族は、結婚によって発生し、離婚によって消滅します。

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