証拠とは・・・

証拠とは・・・

事実の存否についての争いには、原告、被告が用意する証拠によって決着をつけます。

民事事件においては、必ずしも証拠だけに基づいて存否が決定されるわけではありません。

当事者の陳述の態度だとか、受け答えの態度だとか、口頭弁論の全趣旨を斟酌して事実の存否を認定する事ができます。

これを自由心証主義といいます。

しかし、証拠がないのに勝訴となるのは稀です。

証拠とは、事実の存否を認定させるための資料です。

事実そのものではないのです。

金銭の貸付や契約があったか否かということは事実の有無の問題です。

その事実を立証する資料が証拠です。

契約書を作らないで、口約束でお金を貸すということがよくあります。

裁判で主張し立証しなければならないのは、この約束とお金を渡した事実です。

契約書はその約束と金銭引渡があったということを証明する1つの証拠に過ぎないのです。

契約書があるからといって、それに記載されている契約があった可能性が高いというだけで、そのことで必ず契約があったということにはなりません。

契約は取りやめたが、一応作っておいた契約書を破り忘れたということもあり得ます。

また契約書以外にも契約を立証する方法はあります。

領収書でもよいし、念書でもよいですし、立ち会っていた人の証言でもよいのです。

証拠能力は劣りますが、その契約に至った動機だとか、その契約による結果だとか、間接的に契約のあったことを立証する証拠でもよいのです。

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証拠の保存とは・・・

証拠の準備には、訴訟で必要になってくると思われる証拠である証拠書類や証人を確保することと、手続き上必要な準備として、証拠書類をいつでも法廷に出せるように必要な数の写しを作成して証拠番号をふっておくとか、証拠申出書や尋問事項などを必要な書類を作成しておくなどあります。

証拠書類や証拠物は大切に保存し、長い間保存できないもの、誰かに書類を返さなければならないもの、白墨で書かれた文字、破壊された建物の原状などは何らかの形で保存する必要があります。

書類であれば、カラーコピーをとります。

印やボールペンの色が違ったりすると、問題になる場合もありますから、念のためにカラーコピーをとるほうがよいです。

証拠物や現場の状況であれば、写真を撮っておきます。

それも、できるだけ第三者にコピーや撮影をしてもらい、その証拠書類や証拠物などを直接見せておくと、その人も証人になります。

そして、撮影月日と撮影者の住所・氏名をなるべく撮影者の筆跡で写真のどこかに書き込んでおくようにします。

証人についても、念のため、覚書を書いてもらうことも大切です。

後で、気が変わる可能性もあるからです。

証人の感情を害さないように、事件の処理に必要だとして一応書いてもらうというように、なるべく詳細に書いてもらい、日付と署名と印をもらっておきます。

証人が自分で書けないときは、証人の家族や公平な立場にいる第三者に聞取り書を書いてもらい、署名だけ証人にしてもらいます。

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証拠保全手続とは・・・

証拠として、現状が変わってしまいそうな場合や、証人が死にそうな場合など、あらかじめ証拠調べをしておくことが必要な場合には、訴訟を起こす前、又は訴訟中でもその進行をかかわりなく事前に裁判所で証拠調べをしてもらうこともできます。

これを証拠保全手続といいます。

証拠保全手続をする裁判所は、訴訟がすでに起こされているときは、その裁判所です。

訴訟がまだ起こされていないときは、証人や証拠書類を持っている者の住所、証拠物の所在地の地方裁判所又は簡易裁判所です。

訴訟がすでに起こされていても、特に急迫の場合には、証人などの住所や証拠物の所在地の裁判所でも手続ができます。

証拠保全手続は、特別な場合にのみしてもらえますから、その申立をする際に特別の理由があることを立証しなければなりません。

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証拠保全申立書ひな形とは・・・

証拠保全申立
平成**年**月**日
**地方裁判所 御中

申立人 山田太郎 印

〒***-**** 東京都********
電話 03-****-****
FAX 03-****-****
申立人 山田太郎

〒***-**** 東京都********
被申立人 鈴木一郎

貸金請求事件

証すべき事実
申立人と被申立人の間で、平成**年**月**日、申立人が被申立人に***を金**万円で売り渡す旨の売買契約をした事実。

証拠
次の証人に対して、別紙尋問事項につき尋問を求める。
〒***-**** 東京都********
田中次郎

証拠保全の事由
右証人は前記の申立人と被申立人の契約の締結に立ち会ったものであり、右契約には他に証拠がないのであるが、被申立人は右事実を否認してるところ、右証人は****の病気にかかり、生命が危険に冒されています。
したがって、右証人については、直ちに尋問を受けなければ、その証言を用いるに困難な事情がありますので、本申立に及ぶ。

疎明方法
1、診断書 1通
2、上申書(申立人作成) 1通

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