建築請負契約の注意・・・

建築請負契約の注意・・・

請負契約はある仕事の完成を目的とした契約です。

(請負)
民法第632条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

仕事の完成に対しては、報酬を支払わなければなりません。

注文者が注文する仕事の内容を明らかにする必要がありますから、設計図及び見積書などを請負契約書に添付して割印しておきます。

大きな工事であれば、設計図及び見積書が多くある場合もあり、その場合には総括的な部分だけを契約書に添付します。

請負契約では、仕事の目的物を最後に引き渡し、これと代金が引換えになるのが原則です。

しかし、建築請負契約では、契約時3分の1、上棟時3分の1、引渡時3分の1という代金支払方法が一般的に行われています。

このような代金の支払い方法をしている場合、注文書としては、引渡のとき目的物の所有権を取得するというのではなく、目的物の所有権は当初から注文者に帰属するように条項を決めておく必要があります。

ただし、この場合、工事中の建物が類焼したときの損害は、注文者が負担しなければなりません。

そのため、注文者は建築中の建物に保険をかけます。

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建築工事請負契約書雛形・・・

建築工事請負契約書

第1条 田中商会株式会社(以下「乙」という。)は山田太郎(以下「甲」という。)はに対し、甲の注文により添付の設計及び見積書により下記のとおり甲の住宅建築工事を請け負い、甲はこれに代金を支払う。
(1)東京都***********
(2)**造****建住宅 床面積**平方メートル
(3)代金    総額金**円
(4)支払い方法 本契約時、上棟時、引渡時各3分の1ずつ
(5)履行期   引渡期限は平成**年**月**日とし、その余の日程は添付の工程表のとおりとする。

第2条 建築中の建物についての所有権は甲に帰属することを乙は確認する。乙の責によらずして建築中の建物が毀損又は滅失したときは、甲がその損失を負担する。

第3条 何らの正当の事由がないのに、乙が*日以上工事現場を放置し、あるいは著しく工事が遅延して引渡期限に建物の完成引渡ができないことが明らかになったときは、甲は催告の上本契約を解除することができる。

第4条 甲が第2条に定める期限に代金を支払わないときは、乙は催告の上本契約を解除することができる。

第5条 甲の代金債務の支払遅延については年*%、また乙の引渡遅延については請負代金相当額に対して年*%の割合による損害金を請求することができる。

第6条 乙は引渡後10年間、住宅の構造耐力上主要な部分につき瑕疵担保責任を負うものとし、その余の部分については1年間に限り瑕疵担保責任を負う。

第7条 本契約に定めなき事項については、民法及び慣習によって甲乙誠意をもって履行しかつ解決するものとする。

本和解契約の条項に基づき甲は**簡易裁判所に起訴前の和解の申立をなし、乙はこれに応ずるものとする。

上記のとおり本契約が成立したので本証書2通を作成し、甲乙各1通を保有する。

平成**年**月**日

注文者(甲)東京都*******
山田太郎 印

請負人(乙)東京都*******
田中商会株式会社
代表取締役 田中五郎 印

建築工事請負契約書雛形WORD

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賃貸用建物の建築運営契約とは・・・

土地信託は、遊休土地を地主から信託的に譲り受け、賃貸用建物を作って賃貸し、収益を土地の提供者に分配するものです。

土地信託の欠点は、不動産の所有権を信託的とはいえ、第三者に譲渡してしまい、信託期間終了まで返還が受けられないことです。

事業用建物の賃貸という事業が失敗すれば、清算のため信託会社によって、土地も売られてしまいます。

そこで、不動産会社の方では、土地信託という方法をとらずに、地主のために賃貸用の建物の企画、設計、施工、賃貸を一括して請け負うという形になっています。

土地信託より利点は、地主側が法的に拘束されることが少なく、短期間に建物を自己の支配下におけることです。

基本的な契約の性質は、仕事の完成を目的とした請負契約です。

しかし、建築は建築工事の請負契約、賃貸は賃貸借契約、管理は管理委託契約をそれぞれ締結することになります。

不動産会社は、企画等を受け持ち、建物完成後には一括して借り受け、第三者に転貸しします。

この際、賃料収入の10%とかの手数料をとり、これによって企画料もまかなったり、企画料を一時金として支払うやり方もあります。

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賃貸用建物の建築運営に関する契約書雛形・・・

賃貸用建物の建築運営に関する契約

第1条 山田太郎(以下「甲」という。)は田中商会株式会社(以下「乙」という。)の協力を得て、甲所有の後記表示の土地(以下「本件土地」という。)上に、高品質にして収益性の高い賃貸用の建物を建設し、乙に一括賃貸するものとする。
二 乙は甲の委任により、本件土地上に前項記載の趣旨の建物を建築し、これを一括して賃借し、これを管理運用する。

第2条 甲が乙に委託する事項は次のとおりとする。
(1)建物の総合企画、設計、近隣対策、官庁折衝、許認可の取得
(2)建築工事
(3)建物の賃借、管理
(4)建築資金借入のあっせん

第3条 乙は甲の協力を得て、本合意書調印後直ちに、土地の測量、近隣対策、地質調査、建築に関連する官庁の許認可の取得手続をなすものとする。

第4条 甲と乙は、前条の建築許可取得後直ちに、建築請負工事契約、建物一括賃貸契約、建物管理委託契約を締結する。
二 乙は甲の承諾を得て、前項の契約を第三者に承継させることができる。

第5条 乙は甲より下記の条件にて、建物を一括して賃借し、第三者に転貸しする。
(1)乙の甲に対する賃料は、満室時に取得すべき乙の転貸賃料の**%に相当する額とする。
(2)乙は甲に対し、建物引渡時において、満室に相当する敷金の**%相当額を敷金として預託する。
(3)賃料改定は乙の転借人に対する賃料の改定に準じて行う。

第6条 甲の建築する建物の概要は、本契約書添付の計画書及び概略図面を基準とし、その計画変更については甲乙協議する。

第7条 建築工事請負契約を甲乙間もしくは甲と乙の指定する第三者との間に締結するまでに、甲又は乙のいずれの責にも帰すことのできない事由により延期、中止等の事態に至ったときは、相互に損害賠償は請求しない。

第8条 本契約に定めなき事項は、甲乙相互に紳士的に協議の上定める。

上記のとおり本契約が成立したので本証書2通を作成し、甲乙各1通を保有する。

平成**年**月**日

注文者(甲)東京都*******
山田太郎 印

請負人(乙)東京都*******
田中商会株式会社
代表取締役 田中五郎 印

賃貸用建物の建築運営に関する契約書雛形WORD

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