恋人のメールを覗き見して逮捕・・・

恋人のメールを覗き見して逮捕・・・

太郎さんと花子さんは、お付き合いしており、太郎さんは最近、様子のおかしい花子さんを不審に思い、パソコンや携帯のメールを勝手に覗き見しました。

すると、男性らしき相手からのメールがあり、その相手と恋人のようなメールをしていました。

太郎さんはそのことを花子さんに問い詰めると、花子さんは開き直って、太郎と別れると言い出しました。

それを聞いた太郎は、頭に血が上ってしまい、花子さんのパソコンに侵入し、電子メールを改ざんして、新しい恋人や友人に、誹謗中傷する内容のメールを送信しました。

それを知った花子さんは警察に被害届を出し、太郎さんは電子通信事業法違反で逮捕されました。

他人のパスワードでパソコンに無断で侵入すれば、それだけで不正アクセス行為の禁止等の法律違反となり、場合によっては1年以下の懲役又は50万円以下の罰金で処罰されます。

あるいは電気通信事業法違反で刑事罰を受けることもあり、電気通信事業法の取扱いに係わる通信の秘密を侵した者は2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

似たような事例で、会社の同僚女性のパスワードで電子メールを覗き見し、改ざんして送信した女性会員が、電子通信事業法違反で逮捕されるという事件があります。

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Oー157のカイワレ大根の国家賠償・・・

堺市で6000人を越す食中毒患者を出したOー157による集団食中毒事件の原因について、当時の厚生省が特定業者が出荷したカイワレ大根が原因食材とし事実上断定して公表したため、名誉を傷つけられたとして、その業者が国を相手取り、売り上げ減少分と慰謝料等合わせて約5000万円の損害賠償を求めました。

学校給食の食中毒で、厚生省では最終報告だけでなく調査継続中にも大臣が記者会見を開き、原因はカイワレの可能性が高いと中間報告の内容を公表していました。

裁判所は、報告書の公表について、食品の安全性に対する国民の不安解消のためで、その目的は正当であると認め、カイワレを原因給付したことの正当性についても、他の食材と比較すれば、業者のカイワレが原因である可能性は高いといえるとして、報告書の結論を一応妥当と認めました。

調査継続中の中間報告については、大臣が記者会見してまで積極的に公表する緊急性及び必要性はなかったとし、また国は報告書等で事実上原因を業者出荷のカイワレと断定しており、公表は相当性を欠いたとして名誉毀損を認め、国に慰謝料請求など600万円の支払を命じました。

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賭け麻雀の借金の返済請求・・・

太郎さんは友人に誘われて、賭け麻雀をするようになり、機会を作っては通うようになりました。

太郎さんは勝つこともありましたが、負けることも多く、その際には友人に紹介してもらった麻雀仲間から高い利息でお金を借りました。

負けが込んできて、とうとう借りたお金は数百万円になってしまい、月々の支払さえできなくなってしまいました。

そこで、そのお金を貸していた麻雀仲間は怒って、裁判を申立てました。

太郎さんは法廷に出席し、お金を借りたことを認め、判決を待ちました。

すると、判決は、「原告の請求を棄却する」とされ、要するに、太郎が借りたお金は返さなくてよいという判決だったのです。

太郎とお金を貸した麻雀仲間との間には、金の貸し借りがありましたから、消費貸借契約が結ばれています。

契約書がなくても口約束だけで契約は成立しますし、現に太郎は法廷で借りたことを認めていますので、借りたお金は返さなければならないことになります。

しかし、お金を貸した麻雀仲間は、明らかにその貸金を、太郎が賭博に使うことを知っていたことになります。

法律では、賭け事を原則として禁じていますので、法律が禁止していることのために金を貸す契約は無効になり、貸した相手が、賭博に使うことを知っていて相手に貸した場合は、返還請求はできないのです。

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借用書の返還しないで2度請求・・・

山田さんは、取引先の田中さんに1ヶ月の期限をつけて300万円を借りました。

山田さんは、無事1ヵ月後に300万円が入ってきたので、田中さんの仕事現場を訪れて、300万円を支払いました。

その際、田中さんは仕事現場でしたので、借用書も印鑑も持ち合わせていないから、夕方、借用書と領収書を届けると言いました。

その後、田中さんは借用書も領収書も届ける様子もなく、そのままになっていました。

しかし、3年後、斉藤さんという知らない人から、田中さんが山田さんに貸した300万円を返して欲しいと言ってきました。

斉藤さんは、田中さんが山田さんに貸した300万円とその利息債権の譲渡を受けたというのです。

山田さんは、斉藤さんの請求を拒んで、とうとう訴訟にまで発展しました。

法廷で、田中さんは驚くことに、300万円と利息はまだ受けてないと証言したのです。

田中さんは、経営不振のため300万円の借用書を利用して斉藤から金策をしたのです。

この行為は、詐欺罪に当たり、10年以下の懲役に処せられ、また、法廷で嘘の証言をしているから、偽証罪になります。

しかし、民事上、借用証書が田中の手許にあり、領収書など他の証拠になるものがなければ、弁済されていないと推定されてしまうのです。

そうなれば、裁判所も支払を命じるしかなくなります。

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