債権回収不能の場合の税務処理は・・・
債権回収不能となった債権は、貸し倒れであり、損金として取り扱われます。
法律上の手続で、倒産の事実が明確になると、例えば自己破産の申し立てした事実のみで、債権額の50%の額が直ちに損金処理できます。
残りの債権額は、法的手続きが終わった段階で、配当分を差し引き、残りを損金として処理できます。
貸倒金が確定した段階で最終処理をします。
しかし、法的な手続が長引く場合があります。
その場合には、残りの50%分の大部分を税務署の認定を受けて「債権償却特別勘定」に入れることができ、実質的な損金の処理ができます。
このためには手続が必要になります。
倒産処理では債権届や、債権者集会に出席し、関連資料を収集しておく必要があります。
そうした資料が「債権償却特別勘定」に入れるための認可のとき、必要になります。
また、会社更生手続開始の申立、民事再生手続開始の申立、特別清算開始の申立、破産手続開始の申立があったときは、損金処理が50%できます。
しかし、債権について抵当権を設定している場合は、抵当権の実行の後に損金が生じるまで、損金処理はできません。
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債務者の支払意思を確認することが大切・・・
債権回収でまず手掛けるのは、交渉です。
そして、交渉で最も大切な事は、債務者が債権者に対して、支払いをしようという気を起こさせる事です。
そこで、債務者に支払意思を起こさせるには、どうしたら良いかが問題になります。
一つの方法としては、債務者の道徳心に訴える事です。
どんな債務者でも心のどこかに「借りたものは返さなければならない」という道徳心を持っているものです。
しかし、人は誰でも、自分を正当化し、正しいと思い込み、義務に対する負担感を忘れがちです。
もし、支払いをしない原因が、事実関係についての誤解や解釈の食い違いにあるならば、当然これを正す必要があります。
また、債権者側に何らかの不備があれば是正することも必要です。
その結果、相手が道徳的負担感を感じる人かどうか、感じる状況にあるか、現に感じているかを、交渉を通じて確認します。
道徳心の薄い人でも、体裁を気にする人は多いようです。
であれば、体裁のほうを付いていく方法もあります。
請求する場所、時間などを工夫すれば、体裁を付いた請求も可能です。
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債務者へ圧力をかける・・・
債務者に支払う気持ちを起こさせるためには、心理的に圧力をかけることが必要です。
相手の利害や打算に訴える利益誘導もあれば、名誉や信用に訴えかける方法、相手の思惑を利用する方法、虚栄心をあおる方法、心理的な苦痛を起こさせる方法など、多くの方法があります。
相手に相当の資産があるのであれば、名誉や信用の側面を攻撃するだけで支払ってもらえる可能性は高いと思われます。
相手に資産がそれほど無い場合には、訴訟、告訴、差押といった強い圧力をかける必要があるかもしれません。
また、債権の督促を受ける事は、道徳心の厚い人にとっては苦痛になります。
その苦痛を和らげるためには、この際、債務を支払ったほうが得だあると思わせると、すんなりと支払ってくれる可能性もありそうです。
この場合、分割返済にするなどの利益誘導が効果的な方法となります。
ちなみに債権回収で、「訴訟などの法的手段をとる」と相手に通知する事は、脅迫などの刑事罰に問われる事はありません。
もちろん、度を越さない範囲でです。
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