公正証書の作成方法とは・・・

公正証書の作成方法とは・・・

公正証書を作成するには、公証役場へ債権者と債務者が一緒に行って依頼する事になります。

本人が行けない場合には、代理人に行ってもらうこともできます。

公証役場には、公証人がいるわけですが、公証人とは長年法務に携わった裁判官、検察官、弁護士の資格を持った人の中から、法務大臣によって任命を受けた人がなれます。

公証役場では、まず公正証書を作成する本人であるかどうかを確認します。

この確認には、本人の印鑑証明書を持参したり、運転免許証などによります。

代理人に頼む場合には、本人から代理人への委任状と本人の印鑑証明書、代理人の印鑑と印鑑証明書が必要です。

本人が会社などの法人の場合には、法人の代表者の資格証明書である商業登記簿謄本等と法人の代表者印が必要です。

公正証書を作ってもらう文書の内容を当事者で決めておき、契約書があればそれを持っていきます。

公証役場では、内容が法律に違反していないかを確認してくれます。

順序としては、公証役場の受付で、公正証書を作成したい旨を告げますと、公証人のところへ連れて行ってくれます。

公正証書の内容を公証人に説明し、公証人は必要な書類の点検をした後で、当事者から嘱託(依頼)の内容を聞いて、疑問点があれば質問し、その後に具体的な公正証書を準備してくれます。

実際に公正証書の作成は別の日を指定され、その日に公証役場に出向きます。

指定された日に行くと、嘱託した内容をすべて書き込んだ公正証書の原本ができあがっており、公証人がこれを読み聞かせ、当事者の閲覧が終わると、その原本の指示された箇所に当事者双方が署名捺印すれば、手続は終了です。

作成された公正証書のうち一通は、公証役場で保存されます。

公正証書の利点

①内容が法律に違反していないか確認できる。

②公証人が作成したものだから証拠力がある。

③公正証書の1通は公証役場で保管されている。

④金銭債権その他の代替物については、執行認諾約款がついていれば、相手が契約違反した場合、訴訟をしなくても強制執行できる。

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改正後の民法での消滅時効は・・・

令和2年4月1日施行の民法改正では、①消滅時効の時効期間、②起算点、③時効障害事由が変更されました。

①②消滅時効の時効期間は、原則として「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年」または「権利を行使することができる時から10年」のいずれか早い方とされました。

わかりやすくいうと、例えば、契約書に弁済期などの権利行使できる時期が記載されているような場合には、時効期間は5年となります。

これは債権者が権利行使できることと、その時期を知っていることが明らかなので、短い時効期間の5年となるわけです。

ですので、契約書などを交わし、弁済期を決めているような場合には、消滅時効の時効期間はすべて5年になるということです。

また、この改正によって商法による消滅時効の規定「商取引から生じた債権の消滅時効期間を原則5年とする」が廃止され、民法の規定に統一されました。

③時効障害事由とは、改正前は時効の「中断」と時効の「停止」と呼ばれていました。

改正後は「中断」を「更新」、「停止」を「完成猶予」と呼ぶようになりました。

ちなみに更新とは、時効の更新事由があった時点から新たに時効が進行を始めるという制度です。

完成猶予とは、時効の完成猶予事由があった場合に、その事由が終了するまで時効が完成しないという制度です。

時効を更新させるためには、次の方法があります。

①請求

裁判上の請求である訴訟、支払督促、和解の呼び出し、破産手続参加等と裁判外の請求になります。

内容証明郵便等での裁判外の請求は、時効の完成を6ヶ月だけ遅らせる効果しかありません。

②差押、仮差押、仮処分

差押、仮差押、仮処分については、裁判所の手続が必要です。

③承認

債務承諾書を書いてもらったり、債務者が1円でも支払えば、承認になります。

時効により消滅した債権は、どんな高額な債権でも回収はできません。

しかし、一つだけ例外があります。

時効によって消滅した債権が、その消滅以前に、相殺できる状態なっていた場合(双方の債務が弁済期にある)には、その債権者は、相殺ができるようになっています。

消滅した債権の相手方である債務者に、債権者が債務を負っていれば、時効消滅した債権をもって相殺ができるわけです。

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取立てと恐喝の違いとは・・・

恐喝というのは、脅迫手段を用いて相手から金品を巻き上げ、または財産上の不法な利益を得る事をいいます。

そして、債権者が債権回収のため取立てをするのは恐喝にならないかが問題になります。

なかなか難しい問題なのですが、正当な債権回収のためであれば、多少の事は恐喝にはなりません。

しかし、判例では、度を過ぎると恐喝罪が成立するとしました。

恐喝罪が成立する場合とは、社会通念上一般に認容すべき程度を逸脱した時に恐喝罪が成立するとされています。

まあ、これも難しい問題です。

なお、恐喝罪にならなくても脅迫罪は成立するという判例もあります。

・刑法249条(恐喝)

一、人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

二、前項の方法により、財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

・判例(最高裁判所、昭和30年10月14日)

権利の範囲内であっても権利行使の手段が社会通念上一般に認容すべき程度を逸脱したときは恐喝罪が成立する。

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