訴訟はどのように進行するの・・・

訴訟はどのように進行するの・・・

呼出状の記載にしたがい出廷すると、法廷の机の上に出廷カードが置いてあります。

それに当事者の氏名・事件番号・事件名・開始時間が書き込まれ、順番・記名欄は出頭した当事者が書き込むようになっています。

これに署名します。

審理はこの番号順に開かれ、順番が来れば廷史が呼びます。

呼ばれたら、原告、被告の席に着きます。

裁判官の席に向かって左側が原告の席、右側が被告の席です。

審理の最初は、当事者の確認と原告から訴えの内容を聞くことです。

裁判官が原告に、「請求の趣旨及び原因は訴状記載のとおりですか」と聞きます。

立ち上がって「訴状記載の通りです」と答えます。

訂正するところがあれば、申し出ます。

裁判官は訴状について疑問点を質問します。

これを「釈明を求める」といいます。

すぐ答えられるものなら答えても良いし、重要な事項であるとき、または調査しなければ答えられないときは、「次回までに準備書面に書いて参ります」と答え、調査して書面を作成し、提出します。

即答して、間違った事や不利な事を言わない事が大切です。

裁判官が訴えの内容を理解したら、同様の形で被告の答弁を聞きます。

被告の答弁は次の場合があります。

①被告が原告の請求を認めれば「請求の認諾」となり訴訟は終わります。

②請求の趣旨は認めなくても、請求の原因とされる事実を認めれば、事実の自白となり、争いのない事実となります。

しかし、別の反論があれば抗弁として斟酌されます。

③個々の事実を否認すれば、それが争点となり証拠での認定となります。

④個々の事実について「知らない」というのであれば、否認と同じになります。

⑤黙って答えない場合は認めたのと同じになります。

そこで、裁判長はその日の審理を打ち切り、次回期日を決めます。

これを審理の続行といいます。

指定された次回期日が都合が悪ければ、その旨を言って他の日にしてもらう事ができます。

第2回以降も同様の手続で進められます。

その後は争点について証拠調べをして審理の終結となり、判決期日に判決が言い渡され、判決が送達されます。

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訴訟は証拠で決まる・・・

争いのある主張は証拠で判断されます。

民事訴訟では原告・被告が申し出た証拠のみが調べられます。

書類以外の証拠は、別な期日に取り調べます。

証拠には書類や証人や鑑定や検証などがあります。

書証の種類については制限はありません。

証拠価値があるかないかだけの問題となります。

契約書、手形、借用書、領収書などのほか、一方的に作成した納品書、あるいは本人の上申書なども証拠になります。

書証は写しをつくり、原告は甲第一号証、被告は乙第1号証と順次に番号をつけて正本と副本を提出します。

書証は提出の際に原本を裁判所及び相手方に見せる必要があります。

写真を証拠とするときは、その証拠写真を台紙に貼り、それに撮影者と撮影日を明記しておきます。

証人・本人尋問の申請は、申し出の内容を書面にして提出します。

鑑定や検証の申請も同様です。

これらの証拠は、裁判所が調べるかどうかを決定します。

証人尋問は尋問期日を定めて行われ、当事者は事前に証人と打ち合わせをして良い事になっています。

期日には、宣誓の後、申請者側の主尋問、相手側の反対尋問、裁判官による随時の補充尋問があります。

本人尋問もこれに準じます。

また、文書により立証しようとする者が、離婚した相手方などから嫌がらせのために、文書の引渡しを拒んでいる場合には、裁判所に対して「文書提出命令の申立」をして、文書を裁判に提出させる事ができます。

第三者が文書提出命令に従わないときは、裁判所は、決定で、30万円以下の過料に処することができます。

民事訴訟法179条(証明することを要しない事実)

裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。

民事訴訟法180条(証拠の申出)

一 証拠の申出は、証明すべき事実を特定してしなければならない。

二 証拠の申出は、期日前においてもすることができる。

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どのように勝訴の判決は出るの・・・

主張や立証が出尽くすと、口頭弁論は終結され、判決言渡しの判決期日が指定されます。

判決期日は判決を言渡すだけの期日ですから出頭しても、しなくてもかまいません。

ただし、口頭による判決の言渡しは、法廷に誰も居なくても必ず行われます。

判決の日に、法廷に出向いたからといって、判決書をすぐにもらえるとは限りません。

数日後、判決正本が送達されてきます。

原告敗訴の場合は、「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」という定型の主文となります。

原告勝訴の場合は、「被告は原告に対し、金**円及びこれに対する平成**年**月**日以降完済まで、年**分の割合による金額を支払え。訴訟費用は被告の負担とする」というような、請求の趣旨に応じた具体的な主文となります。

このほかに「事実」や「理由」の記載があります。

判決書は、原告・被告双方に送達されますが、敗訴した者が14日以内に控訴しない場合に、初めて判決は確定します。

判決が確定した場合は、これによって強制執行できることになります。

ただし、主文に「仮執行の宣言」がついていれば、確定前、控訴の審理中であっても強制執行できます。

仮執行宣言は主文の最後に「本判決は仮に執行することができる」というように書かれます。

また、訴訟手続が進行中に、当事者の申出または裁判所の職権で和解勧告がなされることがあります。

裁判所は、訴訟中のどの段階でも和解を試みる事ができます。

和解は、裁判官が中に入って話し合いがなされるものです。

話し合いがつけば、判決に至らず訴訟は和解によって終了します。

和解した事項は、和解調書に記載され、この和解調書は確定判決と同一の効力を持ちます。

民事訴訟法250条(判決の発効)

判決は、言渡しによってその効力を生ずる。

民事訴訟法251条(言渡期日)

一 判決の言渡しは、口頭弁論の終結の日から二月以内にしなければならない。

ただし、事件が複雑であるときその他の特別の事情があるときは、この限りではない。

二 判決の言渡しは、当事者が在廷しない場合においても、することができる。

民事訴訟法253条(判決書)

一 判決書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1、主文

2、事実

3、理由

4、口頭弁論の終結の日

5、当事者及び法定代理人

6、裁判所

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控訴提起の方法とは・・・

第一審の訴訟で敗訴した場合には、上級裁判所に控訴することができます。

一部勝訴は一部敗訴ですから、敗訴部分について控訴することができます。

勝訴判決だが申し立てた仮執行宣言が付かなかった場合もこの部分だけは一部敗訴ですから、控訴できます。

控訴は、勝訴の場合にはできません。

判決理由の中で自分の主張と違う判断をしていても、結果が勝訴である限り控訴することはできません。

しかし、結果について一部でも敗訴部分があれば、この部分に対し控訴ができます。

控訴は、控訴状を原裁判所の窓口へ提出して申し立てます。

期間は判決の正本が送達されてから2週間以内です。

2週間を過ぎると受け付けてもらえないし、間違えて受け付けたとしても後で却下されます。

控訴状の書式は訴状とほぼ同じで、当事者と第一裁判所、事件番号、判決主文を表示し、これに対する不服申し立てであること明らかにします。

控訴状の貼付印紙は第一審の訴状の印紙の1.5倍です。

適法な控訴が提出されると、控訴期間が経過しても原判決は確定しません。

しかし、原判決に仮執行宣言がついている場合には、判決は確定しなくても控訴しただけでは強制執行を止める事はできません。

民事訴訟法285条(控訴期間)

控訴は、判決書又は254条第2項の調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければならない。

ただし、その期間内に提起した控訴の効力を妨げない。

民事訴訟法286条(控訴提起の方式)

一 控訴の提起は、控訴状を第一審裁判所に提出してしなければならない。

二 控訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1、当事者及び法定代理人

2、第一審判決の表示及びその判決に対して控訴をする旨

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