会社更生の申立とは・・・

会社更生の申立とは・・・

更正手続は、株式会社について、会社更生法の定めにしたがって、更生計画を定め、更生計画が定められた場合にこれを遂行する手続をいいます。

株式会社は、破産手続開始の原因となる支払不能または債務超過などの事実が生ずるおそれのある場合、または弁済期にある債務を弁済すると、その事業の継続に著しい支障を来すおそれがある場合に更正手続開始の申立をすることができます。

裁判所の更正手続開始決定があると、管財人が選任され、管財人は、裁判所の監督のもとで、更正会社の事業の経営ならびに財産の管理および処分をする権利を有することになります。

さらに管財人は、更正債権者、更正担保権者、株主等の権利の全部または一部を変更する条項などを定めた更生計画を作成して、裁判所に提出します。

更正会社に対し、更正手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権は更正債権となり、更正手続開始後は、会社更生法に特別に定めのある場合を除いて、更生計画の定めるところによらなければ、弁済を受けることができなくなります。

更正手続が開始した当時、更正会社の財産について存する特別の先取特権、質権、抵当権および商事留置権の被担保債権で、更正手続開始前の原因に基づいて生じたものは、更正担保権となります。

更正手続においては、更正担保権についても、更正手続開始後は、会社更生法に特別の定めがある場合を除いて、更正計画の定めるところによらなければ弁済を受けることができなくなります。

商事留置権は更正担保権となりますが、民事留置権は更正担保権となりません。

しかし、商事留置権も民事留置権も破産の場合のように失効することはなく、留置的効力はそのまま存続します。

このため留置的効力により、更正会社の更正に障害が生ずることがあることから、必要な場合に留置権を消滅させる手続が定められています。

会社更生における一般先取特権のうち、更正手続開始前6ヶ月間の使用人の給料などは共益債権となります。

共益債権となる請求権は、更生計画の定めるところによらないで、弁済され、その弁済は更正債権または更正担保権に先立ってなされます。

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特別清算の申立とは・・・

清算型の法的手続きとしては、破産のほかに特別清算があります。

株式会社が合併および破産以外の原因で解散した場合に、会社の法律関係の後始末をすることを清算といいます。

清算は、会社の活動を終了し、債権を取り立てて、債権者に債務を弁済し、株主に残余財産を分配するなどの手続です。

株式会社について、裁判所の監督の下、通常の清算手続を厳格にした特殊な清算手続が特別清算です。

特別清算は、清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があることまたは債務超過の疑いがあるときに、債権者や精算人などの申立に対する、裁判所の開始命令により進められます。

特別清算開始の命令があると、清算株式会社は、原則として債権者に対して、その債権額の割合に応じて弁済しなければなりません。

特別清算は、会社の資産と負債をゼロにすることが目的であり、清算方法としては、協定による清算、個別和解による清算、債務弁済による清算があります。

債権者集会で協定が可決され、裁判所の協定認可の決定が確定すると、当該協定の内容に従って債権者の権利が変更されます。

ただし、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、共益費用に相当する特別清算の手続のために会社に対して生じた債権および特別清算の手続に関する会社に対する費用請求権は、特別清算開始の効力を受けません。

これらの債権は、協定の対象とはならず、割合弁済の義務もありません。

会社から全額の弁済を受けることができます。

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債務者死亡の場合には・・・

債務者が死亡した場合、その債務は相続人に相続されます。

また、保証債務および連帯保証債務も相続されます。

そして、相続人の対応としては、債務を相続するか、相続放棄または限定承認があります。

相続を放棄した場合には、その相続人ははじめから相続人でないことになりますので、債権者は相続債務の履行を求めることができなくなります。

限定承認とは、亡くなった被相続人の財産の限度で債務を引き受けるというものです。

被相続人に財産があれば、債権者はその財産から弁済を受けることができますが、被相続人の財産が債務全部の弁済をするに十分でないときは、それ以上に相続人の財産から弁済してもらうことができません。

限定承認は相続人全員で行わなければならず、官報による公告も必要となります。

相続人がいない場合、相続財産は、相続開始の時から相続財産法人という特別の財団法人となります。

債権者としては、家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立て、家庭裁判所によって選任された相続財産管理人が、相続財産を管理し、また相続人を捜索して、相続財産を清算する手続を行います。

相続人が所在不明の場合、行方不明になってから7年以上経過しているときは、家庭裁判所の失踪宣告によって相続が開始します。

不在者が行方不明になってから、まだ7年にならないときは失踪宣告の申立をすることはできないので遺産分割協議もできません。

このような場合には、債権者は家庭裁判所に不在者の財産管理人選任を申し立てる必要があります。

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