遺産分割協議・・・
共同相続人は、原則として、何時でも、その協議で、遺産の分割をすることができます。
民法第907条
1 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。
2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。
3 前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。
共同相続人の中に遺産分割の協議に応じない者があるときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができ、遺産分割調停申立書に協議に応じない者ある旨を記載します。
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相続財産の銀行預金の払戻・・・
預金名義人が死亡した場合、銀行は、死亡通知を受けた後は、預金通帳を提出して届出印を提出して届出印を使って請求する通常の方法による払戻には応じない扱いをしております。
死亡通知は、とりあえず、電話連絡でよいとされています。
凍結された後の預金の払戻について、銀行は、共同相続人全員によって請求された場合に応じています。
その際、次の書類を提出します。
①相続人であることを証する戸籍謄本
②払戻請求が本人の意思に基づくものであることを証する相続人の実印及び印鑑証明書
③万一、事故が起こった場合、その損害は相続人において引き受ける旨の念書等(銀行所定のものがあります。)
被相続人の死亡後に入金された金銭を含む銀行預金及び被相続人の死亡後に相続人の1人が被相続人名義で開設した口座の銀行預金につき、これを相続財産又は相続財産である債権の代償財産であるとして、共同相続人の法定相続分に応じた払戻請求権を認め、預金先の銀行に支払を命じた事例があります。
乙と同居中の預金者甲には相続人ABCがあったが、同居人乙は甲が死亡したのでその葬儀費用のためA名義で預金を解約し、銀行は乙をAと誤信して払戻に応じた場合、銀行に対するAの預金返還請求権は債権の準占有者に対する弁済と認めて棄却したが、BCの預金返還請求については債権の準占有者に対する弁済を否定して、銀行に支払を命じた事例があります。
預金者は銀行に対し、自己の預金に関する取引履歴の開示請求権を有し、預金者の共同相続人の1人も同開示請求権を有するとした事例があります。
銀行預金通帳が窃取され、通帳の副印鑑を利用して偽造された疑いのある払戻請求書による預金払戻につき、担当者の印鑑照合事務の過失を認めた事例があります。
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相続財産の銀行預金の払戻(単独相続人)・・・
相続人の1人が単独相続したとして相続させる旨の公正証書遺言等の根拠資料を示して被相続人名義預金の払戻を請求した場合、金融機関が他の相続人の同意書を求めることは、債務不履行責任を免れないが、本件預金には自動継続の特約があり、請求時に弁済期になかったとして債務不履行責任を構成しないと解した事例があります。
自動継続定期預金の預金者から満期日に解約申出があれば、ほぼ例外なくこれに応じる実務慣行がありことが認められ、このような解約申出を受けた金融機関が、相続人間の紛争に巻き込まれるのを避ける目的で必要な調査を完了するまで払戻を留保することは、権利の乱用となるものではなく、不法行為責任も債務不履行責任も問うことは困難であるとした事例があります。
遺産分割協議が成立した場合には、預金債権を取得した相続人が、単独で、払戻を請求することができると考えます。
家庭裁判所の審判又は調停で遺産分割が決まった場合は、預金債権を取得した相続人が、単独で、払戻を請求することができ、これらの裁判の正本又は謄本を提示するだけで、戸籍謄本や証明書類等の提出は不要とされます。
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相続財産の銀行預金の払戻(共同相続人)・・・
共同相続人の1人がした金融機関に対する遺産である預金の法定相続分相当分の払戻請求に対して、金融機関は共同相続人間に遺産分割協議の対象に含めることについての合意が成立する余地がある間は、その帰属が未確定であることを理由に請求を拒否することができるが、払戻請求者が当該預金を遺産分割協議の対象に含めることに不同意であり、今後もこれに同意する可能性のないことを明言している場合には、本件預金の3分の1は払戻請求者である原告に帰属したものになるとして、請求を認容した事例があります。
同旨の事案で、預金額の法定相続分相当額の払戻請求を認め、金融機関は共同相続人間に遺産分割協議の対象に含めることについての合意が成立する余地がある間は、払戻請求を拒否する正当理由があるとして遅延損害金の請求は認めなかった事例があります。
定額郵便貯金につき、共同相続人の1人は自己の法定相続分に応じて払戻請求をすることができるとした事例があります。
貸付信託の寄託金返還請求権について、共同相続人の法定相続分に応じた払戻請求が認められた事例があります。
証券会社の預託金返還請求権について、共同相続人の法定相続分に応じた払戻請求が認められた事例があります。
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