ごみ集積場の持ち回り請求・・・

ごみ集積場の持ち回り請求・・・

山田さんの家の前は、自治会のごみ置き場になっており、山田さんは転居からごみの異臭と散乱するごみに悩まされ、自治会長にごみ置き場を持ち回りにするよう提案してきました。

しかし、自治会長は、山田さんはごみ置き場が家の前にあることを知って、その分安価で家を購入していると主張し、話を聞き入れませんでした。

この事例のように、自宅から2メートル離れたところにごみ集積場があり、週3回の収集日には約50世帯のごみ散乱と悪臭に悩まされた原告は、集積場を持ち回りにするよう隣近所や自治会にもとめたのですが、被告男性は最後まで持ちまわりに反対しました。

最高裁は、持ち回りにより、ごみ集積場の被害を利用住民全員が分かち合うことができるとして、被告の男性にごみ捨て禁止を命じた二審判決を支持、被告の上告を棄却しました。

ただし、差止めには半年間の猶予期間をつけました。

また、他の判例では、15年間臭気とごみに悩まされた原告に対し、裁判所は、一部住民のエゴで特定の者が害を被り続けるのは、社会生活一般の受忍限度を超えて、人格権の侵害にあたるとしました。

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賃貸借のペット禁止契約・・・

一般的に公団は、ペット禁止であり、ペット飼育禁止の約款により一人暮らしの賃借人を相手取り、団地での猫の飼育をとめるよう求めた裁判を起しています。

被告女性は、40年余り住んだ団地の建て替えで、3年前に現在の新築物件に移ったのですが、その際、ペット禁止条項のある賃貸借契約書を改めて公団との間に結びました。

しかし、これまでどうり、ペットに猫を飼い続けたので、周囲の住民から苦情が出て、公団の飼育中止要請も無視したので、公団側が訴えました。

被告は、飼育する猫が「生きる糧」で、他にも飼育している人がいる、周囲に迷惑はかけていないなどと主張しましたが、裁判所は、「他にペットを飼育する居住者が存在したとしても、そのことにより被告の契約上の義務が免除されるものではなく、現実に不快感を有する居住者もいる」と、その主張を退けました。

ペット禁止条項も、「共同住宅で他の入居者の生活の平穏を保障する趣旨で規定されている」として、公団が被告に飼育禁止を求めることは権利の濫用に当たらないと述べ、被告女性に、猫の飼育を禁じる判決を言渡しました。

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授業中の教師の発言の名誉毀損・・・

銀行員である山田さんは、市立中学校に通う息子の授業参観日に出かけたとき、担任である田中先生が、激しく銀行批判をすることに、腹に耐えかね、市の教育委員会に対し抗議をしました。

しかし、教育委員会から事実関係について問い合わせを受けた田中先生は、いかに銀行が悪どいかという持論と、教育委員会に直訴した山田さんを誹謗中傷する内容をまとめたプリントを作り、クラスの生徒全員に配りました。

山田さんは、このプリントで名誉を傷つけられたとして、田中先生を相手取り、慰謝料を求める裁判を起こしました。

プリントの文中には、田中さん個人を侮辱する言葉がはっきり書かれていました。

一審は田中さんの勝訴でしたが、控訴審では、裁判所は、「プリント配布は授業中の行為であり、これ自体は公権力の行使にあたる。公権力の行使である以上、公務員個人は賠償責任を負わない」として、そのプリントが名誉毀損に当たるかどうかを一切判断せず、一審判決を破棄しました。

国家賠償法1条は「公務員が職務上、故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合、国又は公共団体が賠償の責任を負う」と定めています。

この規定を類推、公権力の行使中の行為には公務員個人への賠償は認めないとされるのです。

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数億円の小切手の拾得の報労金・・・

山田さんは、電話ボックスのそばで黒皮のかばんを拾い、中身を見ると、額面63億円を含め、10億円、5億円などという額面の日銀小切手が9枚、時価1700万円余りの株券など、総額80億円です。

落とし主は**銀行の行員でした。

山田さんは警察に届けたのですが、銀行側は、あれは無価値なもので、日本銀行にもすぐに連絡して、支払をストップするよう手続きをしました、と無礼な対応でした。

そこで、山田さんは、銀行を被告として2億円の報労金を支払えとの訴えを起こしました。

裁判所は、金900万円の余りの支払を銀行に命じたにすぎず、その根拠は、日銀小切手の価値を額面の2%と認定しました。

現金で80億円拾って届け出れば、遺失物法で最低でも5%の2億円の報労金がもらえます。

(報労金)
遺失物法第28条  物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項若しくは第二項又は第二十条第一項若しくは第二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。
2  前項の遺失者は、当該物件の交付を受けた施設占有者があるときは、同項の規定にかかわらず、拾得者及び当該施設占有者に対し、それぞれ同項に規定する額の二分の一の額の報労金を支払わなければならない。
3  国、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)その他の公法人は、前二項の報労金を請求することができない。

何億円の小切手を日本銀行の窓口に取りに行けば、当然通報され、日本銀行は支払をしません。

現金なら、3年間隠匿しておけば、自分のものになります。

遺失物横領罪の最高刑は1年以下の懲役ですから、3年で公訴の時効が完成します。

このような点でも、小切手の価値は低いのかもしれません。

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