離婚調停の開始・・・

離婚調停の開始・・・

調停の申立てがあると、家庭裁判所は、これを調停委員会の調停にかけます。

この調停委員会は、家事審判法に基づいて設置された国家機関で、裁判官と調停委員によって組織されており、委員は家庭問題について学識経験豊かな者や法律の専門家などから、裁判所が選任します。

調停委員会は、申立てに関する調停をする期日を定めて、これを申立人及びその相手方に通知します。

この通知は、一般に呼出状といわれ、これを受け取った当事者は、調停期日に出頭しなければなりません。

呼出状を受け取っていながら、正当の事由がないのに調停期日に出頭しなかったときは、過料の制裁をうけます。

呼び出しに応じて調停期日に出頭しますと、調停室で調停が開かれます。

調停主任の判事1人と調停委員2名以上が同席し、ここで当事者が自由に発言できるしくみになっています。

調停は、それが成立するまで、2回、3回と繰り返し開かれます。

調停期日に本人の代理人が出頭する場合、弁護士以外の代理人は裁判所の許可が必要です。

裁判所が調停のために必要があると認めたときは、職権で、事実調査や証拠調べをすることがあります。

証人や鑑定を必要とする場合の旅費日当、宿泊料、鑑定料などは、当事者が負担します。

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離婚調停の成立・・・

離婚調停は、申立てがあったものは離婚する事を前提に調停が開かれるというものではありません。

反対に、離婚しなくてすむ解決法はないかという方向で開かれる場合もあります。

調停が開かれて、当事者双方が事情を述べ、調停委員も一緒になって解決方法を考えていくうちに、離婚しなくてすむような当事者間の合意が生まれたときは、調停の申立てを取下げて、事件を終了させることもできます。

調停の申立てを取下げるか、又は調停案を当事者双方が承認したときは、その旨を調書に記載します。

記載された内容は、確定判決と同じ効力をもとますので、後で変更することができません。

調書に慰謝料や財産分与のことが記載されているのに、当事者の一方がその義務を履行しないときは、他方は強制執行をかけることができます。

;調書の記載事項が法律的な内容でないもので、道義的なものについては、相手方の不履行があっても強制執行ができない場合も起こってきます。

調停によって離婚が成立したときは、そのことを戸籍に記載します。

裁判所は、調停離婚の成立を、当事者の本籍地の市区町村長宛に通知します。

離婚の申立てをした配偶者は、調停が成立したときから10日以内に、調停調書の謄本をそえて、市区町村長にその届出をしなければなりません。

また、この届出の書面には、調停が成立した日を記載しなければなりません。

調停離婚の届出書には、親権者と定められた当事者の氏名その他、調停で決められた事項をも記載します。

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財産分与の請求・・・

離婚の当事者は、相手方に対して、財産の分与を請求することができます。

この財産分与は、次の内容をもつもので、離婚によって当然生ずる請求権です。

①夫婦共同生活中の共通の財産の清算

②離婚の原因を作った有責配偶者から相手方配偶者に対する損害賠償

③離婚後の生活費

財産分与は、離婚の当事者である夫婦が協議によって決めることを原則としますが、当事者間で話し合いがつかないときは、申立てによって、家庭裁判所が調停又は審判によって、具体的な内容や額を決めます。

この場合、家庭裁判所は次のことを考慮して、財産分与の可否、額、方法等を決めます。

①結婚後に夫婦が協力して得た財産の額

②夫婦の現在の職業や収入

③離婚原因に関する夫婦の責任の度合い

④結婚年数

離婚に際して財産分与の請求をしなかったときは、離婚後2年以内のいつでも請求権を行使することができます。

(財産分与)
民法第768条 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から2年を経過したときは、この限りでない。
3 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

(協議上の離婚の規定の準用)
民法第771条 第766条から第769条までの規定は、裁判上の離婚について準用する。

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