調停離婚の手続・・・

調停離婚の手続・・・

調停は、民事の争いごとについて、当事者が訴えによらないで、互譲することによって、実情にあてはまった結論を導き出し、この結論に判決と同じ法律上の効力をもたせることを目的としてできたものです。

争いを避けて話し合いによる解決策を発見し、しかもその解決策は裁判の判決と同じ効力をもったものであるのです。

協議上の離婚では、協議で決めた離婚後の権利義務、例えば財産分与、子の養育費その他について、当事者の一方が義務を履行しないときは、そのことについてあらためて訴えを起こす必要もあるのに比べて、調停で決めたことは判決で決めたことと同じ効力をもっているのですから、強制的に義務を履行されることができます。

離婚調停では、当事者が互いに譲り合う精神をもって話し合うことです。

ですので、弁護士を代理人とする必要もなく、当事者である夫婦が家庭裁判所に出頭して、直接自分の思っていることを率直に申述することができます。

自分で出頭できない事由があるときは、代理人によって申述することができます。

離婚調停で、調停委員が当事者夫婦の申述をきいて、ある措置をとれば離婚の原因が除去されると考えたときは、調停委員がその原因除去の方法を示して当事者夫婦に勧告をします。

例えば、夫婦が親や兄弟姉妹と同居していることから、夫婦のどちらかと同居親族との人間関係がうまくいかず、そのことが夫婦の不和の原因にもなっているような場合には、夫婦が親や兄弟姉妹と別居できる具体的な方法の検討などもします。

また、配偶者が強度の精神病で回復の見込みがないことを離婚原因として調停の申立てがあった場合には、調停委員会において、精神医学の専門家にあらためて診断を求め、治療の方法や回復の見込みの有無その他についても検討したうえで、原因が除去できると判断したときは、これを当事者に勧告することになります。

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離婚訴訟の手続・・・

離婚請求の訴訟事件では、裁判官が事件の当事者である夫婦のほか、証人の証言なども聴取して審理したのち、事件の事実を判断、認定し、これを法規に照らして得た結論を判決の形で明らかにします。

これに対し当事者が不服のときは、一定期間内に上訴することができ、上訴がないときは判決が確定して離婚が成立します。

裁判官のする決定には、離婚の訴えを訴訟上の和解に移す旨のものもあります。

和解でも裁判官と当事者が離婚原因その他を検討して結論を出しますが、これは訴えにおける判決とは違って、当事者の合意によって得られる解決策です。

この解決案を当事者が承認して調書が作られたときは、判決と同じ効力を生じます。

和解がまとまらないときは、和解不成立として、再び元の訴訟の手続に戻ります。

離婚訴訟は、既に離婚調停が不調と決まった上で起されるのですから、訴訟中和解が成立することはあまり期待できないともいえます。

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離婚調停の申立・・・

夫婦が離婚したいと思うとき、協議で離婚できないような事情がある場合には、家庭裁判所に離婚の調停の申立てをして、裁判上の離婚をすることができます。

調停は訴訟にくらべて、費用が少なくてすみ、解決までの日数も短く、話し合いと同じ状況で処理され、調停委員が適切な助言をしてくれますので、公正な解決が期待できます。

この申立ては、口頭でも書面でもこれをすることが認められますが、通常は書面でします。

申立てをするには、申立てをする趣旨や原因を明らかに述べて、離婚することが決まっている場合はそのように、また、結婚を継続するうえで障害となっているものが除かれるなら結婚を継続してもよいのであればその調整をのぞむ旨を述べます。

調停の申し立てに際しては、訴訟のときのような財産分与の額や慰謝料の額を明示する必要はありません。

これらの事項に関しては、調停委員会が、条理にかない実情に即した、公正妥当と考えられる具体案を作成します。

その案に不服があれば、修正を求めることができます。

離婚調停は戸籍謄本を添付して申立てをします。

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