嫡出子の氏・・・

嫡出子の氏・・・

嫡出子は、父母の氏を称します。

父母は、結婚に際して共通の氏を称することになりますから、嫡出子は父母の共通の氏を称することになります。

子が父母の結婚中に懐胎され、その出生前に父母が離婚しますと、それまで共通だった父母の氏が共通でなくなります。

このような場合には、子は父母の離婚の際の氏、結婚中に称していた共通の氏を称します。

しかし、父母の離婚後に生まれた子に対する親権は、母が行なうものとされているうえに、離婚後に生まれた子は母と共同生活をする場合が多いので、子の氏の変更が認められることが多いようです。

父母のどちらか一方、特に父が子の出生前に死亡したときは、父母の結婚は解消しますが、その後に生まれた子は当然に、父母が称していた共通の氏を称します。

この場合、母は復氏することができますが、母が復氏しても、子の氏は父母が結婚中に称していた氏を称します。

子が父母の結婚によって嫡出子である身分を取得する準正の場合には、出生により非嫡出子として称していた母の氏は、当然に父母の共通の氏を称することになります。

養子は養親の氏を称します。

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非嫡出子の氏・・・

嫡出でない子は、母の氏を称します。

非嫡出子が、父の認知を受けたときも、当然には父の氏を称することにはなりません。

ただし、家庭裁判所の許可を得て、父の氏に変更することができます。

棄児(捨て子)の場合、父も母も知れませんから、市区町村長が氏名をつけて、その棄児のために新戸籍をつくります。

後日にその子の父又は母が知れたときは、その父又は母はその子を引き取り、かつ、その日から1ヵ月以内に、嫡出子か否かの別に従い出生届をするとともに、父又は母の氏に改めるなど戸籍訂正の申請をしなければなりません。

また、子の氏は、原則として、子が取得したのち、父母の離婚その他により、父と母とが氏を異にするようになっても、当然には変更されるものではありません。

このような場合には、家庭裁判所の許可を得て、父又は母の氏に変更することができるものとされています。

改氏は子の法定代理人として母がすることが多いため、民法は15歳未満の子の氏を法定代理人が代わって改氏したとき、及び15歳以上の未成年の子が自分で改氏したときは、成年に達したときから1年以内に、改氏前の氏に復することができるものとしています。

嫡出子になりますと、戸籍上でも、今まで単に「男」又は「女」と続柄が記載されていたものが、「長男」とか「二女」というように訂正されます。

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養子縁組とは・・・

養子縁組とは、養親と養子との間に、嫡出親子関係を発生させることを主目的とする身分法上の契約とされています。

親子関係のない者が契約によって親子関係を成立させる法律行為です。

この養子縁組を成立させるためには、一定の要件を備えていなければなりません。

誰でも契約によって養親子関係になれるものではありません。

養子縁組の成立には、養親及び養子となろうとする当事者の双方に、縁組意思のあることが必要です。

縁組意思というのは、養親と養子の間に養親子関係を成立させる意思のことです。

この養親子関係を成立させる意思は、単に方便として養親子関係を成立させるというものではなく、社会一般通念による養親と養子との関係を成立させる意思でなければなりません。

何かの方便として形式だけの養子縁組をしても、その縁組は無効とされます。

また、縁組意思は、結婚意思の場合と同じように、無条件かつ無期限のものでなければなりません。

将来一定の条件が成就したとき養親子となることを約束するとか、又は一定の時期までは養親子でいるが、その時期が到来すれば縁組を解消するという約束の養子縁組は認められません。

縁組意思は、縁組当事者自身の独立の意思によるものでなければなりません。

被後見人も意思能力を回復している限り、後見人の同意を必要としません。

縁組意思の合致は、その届出の時にあることが必要です。

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