子供の面接交渉について・・・

子供の面接交渉について・・・

子供との面接交渉は、父母の話し合いで決め、話し合いで決まらない場合には、子供の監護に関する事柄として家庭裁判所に申し立てて、調停や審判で決めることになります。

これに対して、面接交渉権を否定する考え方もあります。

別居した親が子供に会うことは、子供の生活を乱し、情緒不安定に導いて、かえって子供のためにならないとの考えもあります。

このような場合には、面接交渉の内容を、その子供の具体的な状況に適応するように定めることもできます。

夫婦は別れても親子関係は切れないからこそ、別居した親も養育費を負担します。

自分が養育の一端をになう子供の成長ぶりを確かめるのは、親として当然の義務でもあり、養育費を支払う気持ちにもなります。

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面接交渉権の判例・・・

花子と太郎が離婚し、花子は一郎と再婚をしました。

一郎は、花子の子ども五郎と養子縁組をしました。

太郎は、子供五郎に会いたいので、家庭裁判所に面接交渉の申立をしました。

しかし、家庭裁判所は、五郎に精神的な不安定を生ずるという理由でこれを認めず、太郎の不服申立(即時抗告)を受けた高等裁判所も、家庭裁判所の判断に同調しました。

太郎は、最後の手段として最高裁判所に特別上告し、憲法13条の幸福追求権の保障により、子供の面接交渉権を認めるべきだと主張しました。

憲法第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

最高裁判所は、原審の高等裁判所や家庭裁判所も、面接交渉を絶対認めないといっているのではなく、ただ、現状では面接交渉を認めると子供の精神的な不安定を生ずるので、子供が自分で父と会いたいというまで待つように判断しており、これは妥当であり、憲法違反とはいえず、面接交渉権を認めませんでした。

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財産分与の内容・・・

結婚によって成立した夫婦の財産関係は、離婚によって解体します。

その調停の方法として、財産分与があり、夫婦の一方が他方に対して財産分けを請求する権利を認めました。

この請求は、おそくとも離婚後2年以内にしなければなりません。

財産分与について、民法は当事者の協議によることとし、それで決まらない場合には、調停や審判で決めることにしています。

(財産分与)
民法第768条 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から2年を経過したときは、この限りでない。
3 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

財産分与の内容は次の2つであるとされています。

①夫婦共有財産の清算

結婚中の夫婦協同生活によって増加した財産は、名義のいかんを問わず、この清算の対象となります。

割合は原則として半分と考えてよいのですが、財産形成に関する寄与の程度がはっきりしていれば、その割合で分けることになります。

夫婦の一方が結婚前から持っていた財産は、この清算の対象になりません。

しかし、それが維持されたことについて、他方が大きな貢献をしたときは、その貢献の程度が考慮されます。

②離婚によって生活できなくなる者に対する扶養

原則として再出発するまでの生活保障でよいとされますが、働くことの困難な高齢者や病人の場合には、それ以上を考える必要があります。

家事労働の経済的な評価が不十分であり、長期の家庭生活によって働く能力を低下させられた人に対する考慮も必要です。

母が幼児を引き取った場合には、子供の養育費を受け取ることは当然として、働く上での財産分与としての扶養費も必要と考えられます。

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財産分与と慰謝料と年金分割・・・

財産分与の基本的内容が、夫婦共有財産の清算と離婚後の扶養であるとすれば、離婚による精神的な損害を賠償する慰謝料と財産分与とは、本来別のものです。

しかし、民法は、財産分与にあたっては、その他一切の事情を考慮することとしていることから、また、紛争は一度に解決することが望ましいことからも、財産分与の中で慰謝料を考慮することができるとされます。

判例は、財産分与が慰謝料を含んでいない場合には、また別途に慰謝料を請求することができるとしています。

その場合、慰謝料請求権は、3年の時効にかかることになります。

また、年金は婚姻期間中の厚生年金の支払保険料総額を、その2分の1を上限として按分し、各自は受給要件を満たしたときから、その割合で年金を受けることができます。

按分の割合は当事者の合意あるいは家庭裁判所の決定によりますが、社会保険庁に対する年金分割の請求は、離婚後2年間に限られています。

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