領収書の記載事項・・・

領収書の記載事項・・・

領収書には、法的に何を記載しなければならないという規定はありません。

しかし、領収書の性質を考えると、次の事項が必要と考えられます。

①領収書という名前

②金額

③日付

④発行者の氏名、押印

⑤宛名

これらの事項がなければ、いつ、誰が、誰に対して、いくら支払った、ということがわかりません。

但書は必ずしも必要ではありませんが、何の代金として受け取ったのかを明確にするために記載します。

領収書の用紙にも大きさや形状などの決まりもなく、チラシや名刺の裏やメモ用紙などに書いたものでも領収書として効力があるとされます。

支払の相手が代理人の場合には、委任状などによって相手方の受領権限を確認する必要があり、受領権限がなければ、無権代理人への支払となり、原則として、本人に支払ったことになりません。

領収書は、金額、日付、発行者、宛名が記載されていれば、問題はありませんが、さらに領収書に番号をつけることで、経理上管理しやすくなります。

宛名は金銭を支払った相手の氏名、名称を記載し、上様と記載しても問題はありませんが、宛名が上様だと税務署に経費として認められない場合もあるらしいです。

第三者が債務を弁済した場合の宛名には2通りあり、1つは債務者の使者として第三者が弁済した場合で、宛名は債務者にします。

もう1つは、債務者のために第三者が弁済した場合で、宛名は第三者にします。

この場合、第三者が債務を負担していますので、第三者が債務者へ求償することができるように、但書に債務者を記載して第三者として弁済したことを明確にしておきます。

スポンサードリンク



領収書の日付と金額の記載・・・

領収書という表題がなくても、記載内容に受領した事実が記されていれば、領収書ということができます。

また、受領と引換えに領収書を発行しますので、領収書の日付と受領日は一致しますが、後日発行する場合などに領収書の日付と実際に受領した日が違っていたとしても、受領した事実はあるので受取証書としての効力に変わりはありません。

しかし、領収書の日付にはその日に債務の弁済があったことを証明する働きもありますので、日付が返済日より後になっていると履行遅滞となって遅延利息を請求されてしまいます。

また、領収書の日付が受領日と異なることを利用して、税金を逃れたりすると脱税になります。

ですので、領収書に日付は、発効日ではなく受領した日付を書く必要があります。

領収書の金額の記載方法については法律に規定はありませんが、金額を容易に書き換えることができないようにしなければなりません。

壱、弐、参、拾などの漢数字を用いたり、金額の頭の部分には、金、\などを用い、最後に円、也、*、-などを用います。

三桁ごとにコンマで区切ります。

スポンサードリンク



領収書の但書・・・

領収書の但書は、何に対する弁済なのかということを明確にする意味があります。

経費として処理したときに、但書に商品名が書かれていれば、その商品を購入したということが明確になり、税務調査などが入ったときに安心です。

借金の返済の場合に、元本の返済なのか、利息の支払いなのか、何回目の支払なのか、などを明確に記載しておけば、重要な証拠になります。

代物弁済をしたときに領収書に受け取った代物を記載することもありますが、この記載がないと元の債務が消滅したのかどうかがわかりません。

代物弁済とは、元の債務の弁済の代わりに他のもので弁済することです。

(代物弁済)
民法第482条 債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。

本来の債務の代わりに給付したものに本来の債務に見合う価値がなかったとしても、債権者が代物弁済を承諾すれば、元の債務は消滅することになります。

領収書に代物弁済であるという記載がないと、わからなくなります。

この場合には、但書に「但 平成**年**月**日**円の債務者***の貸金債務の代物弁済として」などのように記載しておけば、元の債務が消滅したことが明らかになります。

スポンサードリンク



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする