時効更新 支払督促、和解、調停、破産手続参加・・・

時効更新 支払督促、和解、調停、破産手続参加・・・

<支払督促の時効更新>

支払督促というのは、民事訴訟法382条に定められていますが、これは債権者が貸金契約等の証拠をつけて簡易裁判所へ申し立てると、裁判所から債務者に対し、「金**万円支払え」という命令を出してくれるものです。

この支払督促が債務者に送達された時には、申立時にさかのぼって時効更新の効果が生じます。

ただし、督促送達の日から2週間以内に債務者から異議申立ができ、この異議がないときは、30日以内に債権者から仮執行宣言の申立をしなければなりません。

これをしないと支払督促の効力はなくなります。

支払督促の効力がなくなると時効更新の効力もなくなってしまいます。

<和解、調停の時効更新>

この和解というのは、民事訴訟法275条の起訴前の和解である即決和解のことを指します。

和解というのは、訴訟手続の最中に行われますが、この場合はすでに訴訟が提起された後ですから、時効は更新しています。

ここでいう和解は起訴前の和解を指し、この和解によっても、時効は更新します。

民法151条によると、この和解が不調になったときは、その時からさらに1ヶ月以内に訴訟を提起しないときは時効更新の効力はなくなるとしています。

調停の申立についても同様に時効更新の効力があると解釈されていて、仲裁申立も時効を更新するとされています。

<調停調書、和解調書の時効更新>

調停が成立すると調停調書という書類を裁判所が作成してくれます。

和解調書というのも裁判所が作ってくれます。

調停調書、和解調書は裁判所が作成しますので、確定判決と同様に扱われ、10年間は時効にかかりません。

調停不調のときは、調書は作成されません。

<破産手続参加>

破産手続参加とは、破産法111条により、債権者が債権届出期間内に裁判所に自分の債権の額や原因などの届出をすることですが、時効を更新する効力をもつものとしてはそれだけに限定するわけではなく、破産手続開始の申立、民事執行法による配当要求なども時効更新の効力があると解されています。

<仮差押、仮処分、差押、抵当権の実行、強制執行の時効更新>

仮差押や仮処分について命令書が債務者へ送達された時から時効が更新するとされています。

任意競売である抵当権実行や強制執行においての時効の更新は、執行申立の時と解釈されています。

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時効更新 承認・・・

承認というのは、時効の利益を受ける者の一方的な観念の通知といわれています。

時効を更新しようとする効果意思があることは必要ではなく、ただ、相手方に権利があることを知って承認の表示をすれば足りるのです。

承認をする人は、本人の他、法定代理人や任意代理人でもよいとされています。

民法156条には「承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力又は権限があることを要しない」としています。

この意味は、相手方の権限につき処分権は不要だが管理の権限は必要だとされており、成年後見制度の被保佐人が保佐人の同意無しに承認しても時効更新の効力は生ずるが、未成年者が親の同意なしに承認したときは親はこれを取り消す事ができるとされています。

承認の中でも重要なのは一部弁済、支払猶予願い等です。

債務者が債務の一部を弁済したときは、債務の全部について時効が更新します。

債務者が利息を支払うことは元本債権全体につき債務承認とみなされ、全体につき時効が更新します。

分割払いのときも、その1回分を支払えば全体につき債務の承認になりますが、1回分の1部を弁済したときも、その1回分だけではなく、全部について債務の承認があったとみなされ、全体につき時効更新となります。

支払猶予願いについていえば、支払延期願書を差し入れたりすることも債務の承認となります。

代金減額の交渉や債権者の請求を受けた連帯債務者が他の連帯債務者に先に請求しろと懇願するのも承認となるとされています。

一部弁済をしたとき、債務者の手許に債権者の領収書がありますが、債権者の手許にはそういう証拠が残らない場合、債務者は一部弁済をしていない、時効は更新していない、と主張する事があります。

この場合には、債権者が一部弁済を受けた事を証明しなければなりません。

ですので、債権者は債務者に領収書を出し、債務者は債権者に対して弁済承認書を出す必要が生じます。

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時効更新の効力・・・

民法148条には「前条の規定による時効の更新は、その更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する」と定められています。

この承継人というのは、包括承継人(相続人等)と特定承継人(債権の譲受人)とを含みます。

相続人と被相続人とは法律上はいつも同じ立場に立っていますので、時効更新も当然に引き継がれます。

債権者が債務者に100万円の債権を有していたとします。

債権者がその債権の返還請求権を第三者に譲渡したとき、この第三者は特定承継人といいいます。

債権者がその債権について、時効更新の手続をとってあったとすると、その譲受人もその恩恵に預かり、時効更新した債権を取得する事になります。

取得時効の場合でも、土地所有者であるAの土地をBが長年占有していたとします。

そればかりかBは、この土地をCに売却したとします。

もし、AがBに対し、土地明渡訴訟などを起こして取得時効を更新してあったとすれば、この更新の効力はCに及ぶとされています。

Cに効力が及ぶといってもC独自の取得時効には効力を及ぼさないので、C自身が10年以上占有していたときは、取得時効できる可能性が出てきます。

C自身が独自に取得時効を主張する時は、Bの占有期間とを合計して主張する事はできません。

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