保証債務の附従性とは・・・

保証債務の附従性とは・・・

保証債務は主債務に附従します。

この附従するとは、どのような意味なのでしょうか?

債権者、債務者、保証人がいるとします。

債権者、債務者の主たる債務が成立しなければ、保証債務は成立せず、それが消滅すれば保証債務も同時に消滅します。

保証債務がその成立・存続・消滅等において、主たる債務と運命を共にすることを「附従性」といいます。

この附従性が、保証債務・連帯保証債務と連帯債務を区別します。

附従性は、保証債務・連帯保証債務にはありますが、連帯債務にはありません。

主たる債務につき確定判決があって、消滅時効期間が10年に延長されれば、これに附従する連帯保証債務の時効期間も10年になります。

しかし、附従性のない単なる連帯債務の場合には連帯債務者の一人について時効期間が延長されても他の連帯債務者のそれが10年には変わりません。

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手形の特殊な性質とは・・・

手形の「人的抗弁」とか「手形行為独立の原則」とは何でしょうか?

「人的抗弁」とは、債務者が特定の権利者との間の人的関係、例えば売買契約など手形授受の原因である法律関係の無効・取消し・解除などに基づいて主張する抗弁をいいます。

手形授受の原因たる法律関係が、無効・取消し・解除があれば、手形についてもそれを主張できる抗弁をいいます。

「手形行為独立の原則」とは、同一の手形に数個の手形行為(振出・裏書及び保証)がなされた場合に、ある手形行為が無能力・偽造・無権代理などの実質的理由により無効となり、あるいは取り消されても、それを前提とする手形行為の債務負担の効力は影響を受けないという原則です。

Aが振り出した手形をBがCに裏書・譲渡したが、Aの手形行為が無能力で取り消された場合、Bの裏書の効力は影響を受けず、CはBに対して遡及権を行使できるというのが独立の原則です。

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破産・会社更生と時効更新とは・・・

破産手続に参加すれば債権の消滅時効を更新することができるのでしょうか?

会社更生手続や民事再生手続、競売等の手続でも時効は更新できますか?

民法152条には破産手続参加、破産債権者が自己の有する破産債権を裁判所に届出する事は、その債権の消滅時効を更新すると定めています。

訴訟の場合には、その提起、裁判所に提出した時に時効更新し、それから相当日数の審理を経て、判決が出るまで時効の更新が継続します。

判決はそれ自体、10年間は効力を持続します。

破産申立は、いつまで時効更新の効力が持続するかというと、破産手続が進行して、配当手続が完了した時か、さらに裁判所が破産終結決定をした時か、という問題があります。

普通は、破産終結決定までとされています。

破産廃止や破産手続開始決定の取消しの場合は、更新の効力もなくなるのを原則としますが、債権届出をしていた人は、廃止、取消し、申立の取下げの時から、6ヶ月以内に新提起をすれば、時効が更新できるとされています。

会社更生や民事再生については、手続参加が時効の更新の効力を持つと定められました。

この手続参加とは、更正債権、再生債権を裁判所に届け出る事です。

届出後は、何年もかかって手続が進められ、通常は債権の1部をカットして残りを何年かの分割払いにするといった更正計画案や再生計画案が認可されます。

この分割払いと時効の関係ですが、更正手続終結までは更正手続参加による効力が続いていると見られています。

会社更生計画認可決定の効力について、会社更生法206条には、更生計画認可の決定が確定したときは、その計画の決定によって認められた権利についての記載は確定判決と同一の効力を有する旨が定められていますので、更正債権の時効は判決の効力と同じく10年となります。

競売申立には、不動産強制競売と不動産任意競売と動産強制競売があります。

競売申立があると、裁判所は競売開始決定をし、目的物件の差押をします。

訴訟も破産も動産競売も、その申立の時に時効は更新します。

不動産任意競売、不動産強制競売についても、競売申立時に時効が更新するとされています。

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